セリエA制覇狙うインテル photo/Getty Images
最も効果的な補強をしたのは
今夏も移籍市場では巨額のお金が動き、ビッグネームたちの移籍が続々と実現した。では、今夏の市場で最も成功を収めたクラブはどこだろうか。
米『Bleacher Report』が今夏の移籍市場の勝者TOP5、敗者ワースト5なる企画を組んでいるのだが、まずは勝者のTOP5から見ていこう。
5位:マンチェスター・シティ
今夏はそれほど大きな動きを見せなかったが、冷静に穴を埋めた印象がある。目玉はフェルナンジーニョの後継者候補であるMFロドリの獲得で、そこさえ確保すればプレミアリーグ2連覇中の王者に手を加えるポイントはほとんど存在しない。右サイドバックにユヴェントスから超攻撃的DFジョアン・カンセロを加えたのもプラスだ。静かに、しかし的確にチームのオプションを増やしている。
4位:ドルトムント
ドルトムントはとにかく初動が早かった。すぐにレヴァークーゼンからMFユリアン・ブラント、ボルシアMGからFWトルガン・アザール、ホッフェンハイムからDFニコ・シュルツを獲得。そして仕上げとしてバイエルンからDFマッツ・フンメルスを復帰させ、最終ラインと前線の両方を強化することに成功した。バイエルンを捕まえる準備は完璧に整ったと言える。
3位:アーセナル
ドルトムントに比べてアーセナルの動きは重かった。噂話ばかりが浮上し、何も実現しない。しかし、アーセナルはそこから驚異の追い込みを見せる。リールからFWニコラ・ペペ、レアル・マドリードからMFダニ・セバージョスをレンタルで、セルティックからDFキーラン・ティアニー、そして最後にビッグサプライズとなったチェルシーDFダビド・ルイスの引き抜きが実現した。同メディアは指揮官ウナイ・エメリにトップ4入りへチャレンジするチームが与えられたと伝えており、トップ4入りは絶対に実現すべき目標だ。
2位:アトレティコ・マドリード
人員総入れ替えと言ってもいい激しい夏だったが、アトレティコは上手く対応してみせた。FWアントワーヌ・グリーズマン、DFディエゴ・ゴディン、MFロドリら主力が続々と抜けたが、代わりにFWジョアン・フェリックス、DFキーラン・トリッピアー、マリオ・エルモソ、MFマルコス・ジョレンテら実力者を補強。
1位:インテル
1位に選ばれたのはインテルだ。新指揮官にアントニオ・コンテを迎え、コンテ流の完成に必要な選手を着実に確保してきた。最終ラインには経験あるゴディンを加え、前線にはコンテお気に入りのロメル・ルカクを補強した。ウイングバックにはヴァレンティーノ・ラザロ、中盤にはステファノ・センシ、ニコロ・バレラを獲得しており、最終ラインから前線までバランス良く補強された印象だ。
そして終盤にはマンチェスター・ユナイテッドで構想外となっていたFWアレクシス・サンチェスをレンタルで獲得することに成功。まだフィットするかは分からないが、ルカクとサンチェスの2トップは実に魅力的だ。
一方でワースト5はどうなったのか。まずワースト5位はインテルからFWマウロ・イカルディを加えることになったパリ・サンジェルマンだ。中盤にはアンデル・エレーラ、イドリッサ・ゲイェを加え、ネイマールも残留。
ワースト4位には、日本代表FW中島翔哉が加わったFCポルト。DFエデル・ミリトン、MFオリベル・トーレス、エクトル・エレーラ、FWヤシン・ブラヒミら実力者が退団したが、その穴を十分に埋められていないとの評価だ。昨季に比べて弱くなったと手厳しい。
ワースト3位はマンチェスター・ユナイテッド。DFハリー・マグワイア、アーロン・ワン・ビサカの獲得は見事だったが、バランスよく強化されたとは言い難い。ルカクとサンチェスが離れたことで前線はやや駒不足で、マーカス・ラッシュフォードとアントニー・マルシャルにかかる負担が大きすぎる。
中盤もアンデル・エレーラが退団したが、十分に強化されていない。未だフィットしていないフレッジなど、中盤にも大きな問題がある。
ワースト2位はエスパニョール。センターバックの実力者だったマリオ・エルモソがアトレティコへ向かい、昨季リーグ戦で17得点を挙げたFWボルハ・イグレシアスがレアル・ベティスに移籍。
そしてワースト1位はチェルシーだ。これはFIFAから補強禁止処分を受けていたため、仕方がない。やや可哀想な選出ではある。アカデミー出身の若手を積極的に起用するなど特別な対応を見せることになり、今季は苦しい戦いとなるだろう。
●最新情報をtwitterで見よう!
twitterアカウント
https://twitter.com/theWORLD_JPN/