後手を踏んだ印象の森保監督 photo/Getty Images
森島「クサビを入れるのは難しかった」
12月18日、E-1の最終戦が行われ、日本代表は0ー1で韓国代表に敗れた。引き分けでも優勝の日本だったが、前半に韓国にペースをつかまれて28分に失点。
後半は盛り返したが1点が重くのし掛かった。
前半は韓国のロングボールに押し込まれ、奪ってもビルドアップを素早いプレスで寸断される場面が続いていた。
「スピード感に慣れるまでに時間がかかってしまった。前半はミスも多く、タッチ数も多くならなかった」(森島司)
[3-4-2-1]システムの左シャドーで先発した森島は高い位置でパスを引き出すつもりだったが、前半は押し込まれて下がらざるを得ない展開になっていた。
「自分にボールが入ったら行くつもりでしたが、相手のロングボールにディフェンスラインが下げられていた。精度もあったので起点を作られ、押し込まれてしまった」
日本は1トップへクサビのパスを入れて押し上げるプランだったが、クサビのパスは全くといいほど入っていない。
「韓国のセンターバック2人が強力で、僕が前に出てもあまりなびいてこなかった。中盤から直接クサビを入れるのは難しかった」
後半、大島僚太が交代出場してからは、韓国の運動量が落ちたこともあり、日本がパスをつないで攻め込む機会が増えている。
「後半は修正できた。中盤を突破してくれたので、僕は間で受けることに徹することができた。ときどき相手のサイドバックも流れてきて、サイドに起点を作ってから良い形ができてきた」
中央でボールを運んでからサイドへという展開が増え、韓国のサイドバックが中央に絞ってからサイドへ流れるようになった。森島が得意とするサイドバックとセンターバックの間にスペースが生まれ、そこからチャンスにもなっている。
トップへのクサビという当初のプランは絵に描いた餅に等しかった。日本代表のコンセプトなのだろうが、力関係からして通用していない。クサビ以前に、韓国のプレスをいなすパスワークが必要だった。しかし、それができたのは大島が入ってから。つまり、この試合で韓国の手の内にはまらないようにするには大島に頼るほかなかったのだが、62分まで出場させなかった。準備と人選に失敗したといっていいだろう。その代償が高くついた試合だったのではないだろうか。
取材・文/西部 謙司
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