粕谷秀樹のメッタ斬り 029
来季もシティの指揮官続投を明言したグアルディオラ photo/Getty Images
モウリーニョとクロップの対応
「彼らがスポーツ仲裁裁判所に上訴したのだから、現時点では推定無罪となる。同じ立場にいる人間が、他クラブの内情に口を出すべきではない」
トッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督が、マンチェスター・シティを慮った。
ユヴェントスのチーフ・フットボール・オフィサー(CFO)を務めるファビオ・パラティチは、口を慎まなくちゃね。「ジョゼップ・グアルディオラ監督の招聘に関してはつねに議論されている」。たとえ事実だとしても、軽率すぎる発言だ。名門ユーヴェのCFOならちゃんとしなさい。マウリツィオ・サッリ監督の神経も逆撫でしているってことに、パラティチは気づいていないのかな。
さて、シティの行く末に世界中の興味が集まるなか、グアルディオラが現地時間2月19日にインパクト超特大のコメントを発した。
「100%残留する。100%だ」
シティにとっては大きなプラスだよね。
![[粕谷秀樹]グアルディオラがインパクト超特大の残留宣言 多くの主力も監督に追随するのか](http://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252FTheWorld%252FTheWorld_273706_8221_2.jpg,quality=70,type=jpg)
欧州のコンペティションに2年間出場できない可能性があるシティ photo/Getty Images
既得権益の侵害に恐れおののく
ところで、シティの疑いはハッカーの訴えによって明らかになった。その後UEFAも独自のルートで動いていたとはいえ、なんか引っかかるよね。ハッキングって犯罪でしょ。そこから得た情報を全面的に信用していいものなの?
また、シティやパリ・サンジェルマンのような新興勢力を、ヨーロッパのフットボール界は嫌う傾向が強い。程度の違いこそあれ、シティが指摘されているカネの動き(スポンサーフィーの過大申告)は、いくつかの人気クラブにもあった。名門や古豪は許され、シティだけ罰せられるのはおかしくないか? 既得権益の侵害を恐れるどこかのお国の政治家みたいじゃん。
FFPは抜け道だらけのルールだから、シティは〈限りなくクロに近いグレー〉かもしれない。さらにFFPがどうのこうのではなく、「UEFAの調査をシティがミスリードしたためのペナルティ」という情報まで飛び交いはじめた。
文/粕谷秀樹
スポーツジャーナリスト。特にプレミアリーグ関連情報には精通している。試合中継やテレビ番組での解説者としてもお馴染みで、独特の視点で繰り出される選手、チームへの評価と切れ味鋭い意見は特筆ものである。
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