アーセナルのレノ photo/Getty Images
攻撃は最後方から始まる
アーセナルFWピエール・エメリク・オバメヤンがコミュニティ・シールドのリヴァプール戦で決めたゴールと、プレミアリーグ開幕節のフラム戦で決めたゴール。
この2つのゴールはいずれも左斜め45度から決めたものとなっており、ティエリ・アンリ風ゴールと話題になった。
両方のゴールはそっくりなのだが、実はもう1つ見逃せない共通点があるのだ。
それは、両方とも攻撃がGKからスタートしているという点だ。自陣ペナルティエリア内からGKが冷静に繋ぎ、そこから一気に左サイドへ展開して最後はオバメヤンが決める。2つともゴールはこのパターンだった。
リヴァプール戦ではエミリアーノ・マルティネス、フラム戦ではベルント・レノがGKを務めていたが、アーセナルの中ではGKからビルドアップしていく意識が浸透しているのだろう。
その姿勢はデータにも表れている。データサイト『WhoScored』によると、レノはフラム戦で30本ものパスを成功させている。GKとは思えぬ数字で、もはや攻撃の出発点との表現がふさわしい。
しかもレノのパス成功率は100%となっており、精度も抜群だ。
昨季のプレミアリーグでパス30本以上を記録し、なおかつパス成功率100%を記録したのはブライトンのマシュー・ライアンのみだという(31本)。
最近は相手を意図的に自陣へ誘い込み、GKやDFの展開からカウンターのように攻撃をスピードアップさせていくパターンも増えてきている。
マンチェスター・シティでジョゼップ・グアルディオラの右腕となっていた現アーセナル指揮官ミケル・アルテタにも、そうしたアイディアはあるのだろう。
GKがボールを持つと一息つきそうになってしまうが、そこから一気に攻撃がスピードアップすることも珍しくない。レノがボールを持った時もアーセナルサポーターは目を離すべきではない。
もちろん自陣でボールを失うリスクもあるが、今季のアーセナルには簡単に前方へ蹴り出す考えは存在しない。GKからも丁寧かつスピーディーに繋いでいく攻撃に注目だ。
Practice makes perfect. pic.twitter.com/RR1uIyN1TN
— Arsenal (@Arsenal) September 14, 2020