J1制覇を決めた川崎フロンターレ photo/Getty Images
海外メディアも称える強さ
J史上最速優勝という結果だけを見ても、今年の川崎フロンターレをJリーグ史上最強チームに選んでいいかもしれない。
25日にガンバ大阪を5-0で粉砕して優勝を決めた川崎は、ここまで30試合を消化して24勝3分3敗。
得点数79も現時点でリーグ最多、失点数25はリーグ最少だ。まさに攻守両面で文句のつけようがない完全優勝だったと言える。
ガンバ大阪戦ではブラジル代表でのプレイ経験もあるFWレアンドロ・ダミアンが先制点を記録。ブラジル『Globo Esporte』もレアンドロ・ダミアンがJリーグ制覇に貢献したことを取り上げているが、同メディアも「Jリーグの歴史の中で最高のチームか? 今年の川崎はそう記憶されるかもしれない」と伝えている。
優勝を決めたガンバ戦でも終始ゲームを支配し、相手に許した枠内シュートはたったの1本。1位と2位の直接対決ではあったものの、スコア以上の差を感じるゲーム展開だった。
チーム最多の13得点を挙げているFW小林悠、それに次ぐ12得点を挙げているレアンドロ・ダミアンと三笘薫。特に東京五輪世代の三笘は今季一気に大ブレイクすることになり、シーズン中から欧州トップリーグでも通用する才能ではないかと話題を集めた。その独特なリズムから繰り出すドリブルは世界のDF相手にも通用するに違いない。
そしてガンバ戦でハットトリックを決めたベテランのMF家長昭博、中盤で攻撃を巧みに組み立てるMF大島僚太、守田英正、東京五輪世代の田中碧、そして精神的支柱としてチームを支え続けた40歳のMF中村憲剛と、タレント力も抜群のチームだ。
名波浩や高原直泰、中山雅史、福西崇史らを擁して1990年代後半から2000年代前半のJをリードしたジュビロ磐田、ワシントンとロブソン・ポンテの超強力助っ人に加えて田中マルクス闘莉王、鈴木啓太、若き日の長谷部誠、日本代表常連だった三都主アレサンドロらタレント軍団だった2006年当時の浦和レッズなど他にもJ最強候補は存在するが、今年の川崎もそれに匹敵する完成度とタレント力だったのは間違いないだろう。