ボールを中へ入れるサカ photo/Getty Images
上手く決定機を作れず
今季のアーセナルは創造性が不足している。これは開幕から何度も指摘されていることだ。
それが攻撃のスタイルにも影響しているのだろうか。気になるデータの1つがクロス本数の多さだ。
例えばアーセナルは前節ウォルバーハンプトンに1-2で敗れたが、英『sky Sport』のデータによればアーセナルは35本もクロスを放り込んでいる。
サイドからクロスを送るパターンも悪くないが、アーセナルの場合はほとんど成功に繋がっていない。ウォルバーハンプトン戦でもクロス35本を蹴って味方に合ったのは3本のみとなっている。32本も失敗があるならば、攻撃のやり方を見直す必要がある。
ブカヨ・サカ、ウィリアン、キーラン・ティアニー、リース・ネルソンがそれぞれ5本ずつクロスを蹴っているが、今のチームにはオリヴィエ・ジルーもいない。単純にペナルティエリアへ放り込む形でシュートチャンスを生み出すのは難しいだろう。
今季全体の戦いを振り返ると、データサイト『FBref』の数字では今季アーセナルはリーグ戦で計130本のクロスを蹴っている。これはフラム、アストン・ヴィラ、リーズ・ユナイテッド、ブライトンといった格下クラブに次いで5番目に多い数字となっている。
中盤の創造性が不足した結果、攻撃が単調なクロス戦法に終始してしまっていると考えることもできる。ジルーのような大型FWがいないアーセナルにとって単純にクロスを送り込むやり方が合っているかどうかは疑問だ。
ウォルバーハンプトン戦で蹴ったクロスの中で、明確な狙いを持って放り込んだものがいくつあったのか。ピエール・エメリク・オバメヤンやアレクサンドル・ラカゼットなどエリア内でボールを持てば決定的な仕事をこなすアタッカーが揃っているだけに、何とか組織的に相手を崩して決定機へ繋げていきたいところだ。