A代表は南野や吉田ら揃う photo/Getty Images
兄弟対決も一度見てみたい
東京五輪を戦うU-24のチームは3月にU-24アルゼンチン代表とテストマッチを行うことになったが、一時はA代表との兄弟対決を行う構想もあるとの話題が出ていた。
仮に五輪代表とA代表が真剣に戦った場合、どちらが強いのか。
・GK
川島永嗣、権田修一、シュミット・ダニエル(A代表)VS大迫敬介(U-24代表)
GKは経験値がモノを言うポジションでもあり、層の厚さではA代表が上だろう。フランスのストラスブールで評価を上げているベテランの川島、清水エスパルスに戻ってきた権田ら経験豊富な選手が揃う。
・サイドバック
酒井宏樹、長友佑都(A代表)VS菅原由勢、菅大輝、杉岡大暉、橋岡大樹、相馬勇紀(U-24代表)
3バック、4バックのどちらを使うかで起用法も変わってくるが、五輪代表もこのポジションはまずまず充実している。
オランダのAZで右のサイドバックを任されている菅原、ベルギーのシント・トロイデンへの挑戦を決意した橋岡、ウイングバックなら名古屋グランパスに所属する相馬も攻撃にアクセントを加える貴重な戦力となる。
マルセイユで主力となっている酒井、ベテランの長友が経験値で他を圧倒するが、海外組もいる五輪代表組の実力も侮れない。
・センターバック
吉田麻也、植田直通(A代表)VS冨安健洋、板倉滉、中山雄太(U-24代表)
センターバックはボローニャで活躍する冨安次第か。すでにA代表でも主力となっている冨安は、もちろん五輪代表でも絶対的な主力だ。冨安が入ったチームの方がセンターバックの実力は上になると言っても大袈裟ではない。A代表の方は冨安が抜けると不安が大きくなる。
他にも五輪代表はフローニンヘンで不動の存在となった板倉もセンターバックで戦える。同じくオランダのPECズヴォレでプレイする中山も最終ラインと中盤の両方を担当できる選手だ。
清水エスパルスの立田悠悟、セレッソ大阪の瀬古歩夢らも伸び盛りで興味深い逸材だ。

五輪代表の方は堂安が引っ張る photo/Getty Images
2列目が最大のポイント
・ボランチ
柴崎岳、遠藤航、橋本拳人(A代表)VS田中碧、齊藤未月(U-24代表)
ボランチは五輪代表の弱点でもある。中山雄太をボランチに回せるが、ゲームメイクの部分に不安が残る。オーバーエイジ枠で柴崎が欲しいとの声もあっただけに、ボランチの層ではA代表の方が上だろう。
シュツットガルトでディフェンスリーダーになっている遠藤の存在も大きい。今季海外組の中で最も勢いに乗っている選手と言っていい。
・2列目
南野拓実、伊東純也、浅野拓磨、原口元気、鎌田大地、中島翔哉(A代表)VS堂安律、久保建英、三好康児、食野亮太郎、三笘薫、安部裕葵(U-24代表)
どちらの世代にとっても1番の激戦区だ。サウサンプトンで調子を掴み始めている南野、セルビアで得点を量産しているパルチザン・ベオグラードの浅野、ベルギーのヘンクでアシストを量産する伊東のスピードスターコンビは貴重なオプションだ。フランクフルトで上位争いに絡む鎌田も世界で通用する実力者だ。
UAEのアル・アインに向かった中島は怪我を負ってしまったが、本来はトップレベルのテクニックを発揮してくれるアタッカーであり、その技術は全世代を合わせても最高峰のレベルにある。
一方の五輪代表の場合はA代表でのプレイ経験もある堂安、久保の存在が大きい。アルミニア・ビーレフェルトでも一味違うパフォーマンスを見せているように、堂安は五輪代表のエースになれる逸材だ。右に堂安、トップ下に久保の構成も面白い。
これも4バック、3バックによって起用法が変わるが、左から仕掛けられる川崎フロンターレの三笘も今やJリーグを代表するアタッカーに成長した。A代表でもスタメンに入れるだけの実力はあるはずで、2列目の戦いは最も面白いポイントだ。
・センターフォワード
大迫勇也、鈴木優磨、鈴木武蔵(A代表)VS上田綺世、小川航基、田川亨介(U-24代表)
最前線も五輪代表にとって課題のポジションだ。大迫のオーバーエイジ招集も希望されており、堅実なポストプレイから豪華な2列目を活かせるだけのセンターフォワードは見当たらない。
大迫は所属するブレーメンで苦戦を強いられているが、それでも経験と器用さでは五輪代表のセンターフォワード陣を圧倒的に凌駕する。
シント・トロイデンで今季14得点を挙げている鈴木優磨も勢いに乗っており、センターフォワードはA代表が上か。
連携などを度外視すれば、両チームの真剣勝負はかなり面白いものとなるだろう。1度見てみたいが、勝つのはどちらか。