まだキミッヒやゴレツカなどもいるが、絶対的な主軸となるバイエルン勢が少ないドイツ代表 photo/Getty Images
絶対的な軸となる“バイエルン勢”の減少は心配
6月に開幕するEURO2020で、ドイツ代表はどこまで駒を進めることができるか。2014年ブラジルW杯を制したマンシャフトだが、栄光を掴み取ってからは7年の時間が経過した。
ブラジルW杯の際はそれでも優勝に漕ぎ着けた。しかし、それは国内で1強体制を継続するバイエルン・ミュンヘンのスカッドをベースとしてチームを構築できた恩恵も大きかったはず。実際、同大会に臨んだドイツ代表メンバーのうち、バイエルンの選手は7名いた。決勝のアルゼンチン戦ではそのうち6名が先発。途中出場から試合を決めたMFマリオ・ゲッツェも含めれば、バイエルン勢は選出された全員が優勝に大きく貢献していたことがわかる。
加えて、前回EUROを制した1996年大会の決勝メンバーも見てみよう。チェコとの対戦となったファイナルで先発したバイエルン所属の選手はここでも6名。ドイツが主要大会で栄冠を掴み取った歴史の中では、常に国内最強クラブのベースがあったと言っていい。強いドイツの陰には常にバイエルンの存在が。国内強豪クラブの充実ぶりが代表チームに反映されることは同国に限った話ではないものの、ドイツにその傾向がより顕著なイメージは確かにある。
そういった歴史を振り返ってみると、今回のドイツ代表にはやや物足りなさが残るか。
「バイエルンから選出されているプレイヤーの数自体に大きな変化は見られないが、軸としてカウントできる選手に差がある印象は否めない。フランス、ポルトガルと同居する“死の組”に入ったこともあって、レーヴが率いるチームには不安が残る」
独『Spox』も、今大会における自国代表には一抹の不安を抱いている様子。バイエルンという強力なチームを土台として、これまで多くの栄光を掴み取ってきたドイツ代表。しかし、今回は少し厳しい戦いを強いられる可能性が高いかもしれない。この心配が杞憂に終わればいいのだが、果たしてマンシャフトはヨアヒム・レーヴ監督が指揮する最後の大会をどのような成績で終えることとなるのか。開幕前の下馬評を覆す奮闘に期待したい。