アーセナルでもプレイした宮市 photo/Getty Images
28歳からのリスタート
怪我さえなければ。FW宮市亮は何度もそう言われてきた選手だ。
最大の武器であるスピードは高校時代から日本人離れしており、2011年には中京大中京高校卒業と同時にイングランドの名門アーセナルへ移籍。今でこそ海外の強豪でプレイする日本人選手も増えたが、10年前は10代の日本人が国内リーグも経ずにアーセナルへ向かうなど考えられなかった。
レンタル先のフェイエノールトでもスピードを活かしたプレイでサポーターのハートを掴むなど、欧州でのスタートは上々。このまま日本代表でもエース格になると考えた人は多かったはずだ。
ところが、宮市のキャリアは何度も怪我に邪魔をされてきた。この10年でエールディヴィジ、プレミアリーグ、ブンデスリーガ2部、DFBポカールなどすべて合わせても、出場試合数は165試合。
成績は17得点22アシストとなっているが、やはり怪我に悩まされたこともあって試合数が少ない。他の選手の三分の一ほどの出場数と言えよう。
この10年は苦しいキャリアとなってしまったが、まだ28歳。今夏には横浜F・マリノスへの移籍も決まり、まだまだ才能を発揮する時間は十分に残されている。前を向いてボールを持った時のスピードはブンデス2部でも健在で、Jリーグのサイドを切り裂くことは十分に可能だろう。
日本代表では2試合しか出場出来ていないが、マリノスで結果さえ残せれば代表招集の道も見えてくるはず。
日本からどのようにキャリアを再スタートさせていくのか。日本のサッカーファンが待ち望んでいたダイナミックなプレイをJリーグの舞台で見せてほしい。