9番での起用がスターリングの復活の近道か photo/Getty Images
得点で批判をなくす必要がある
鬼門アンフィールドで行われたプレミアリーグ第7節リヴァプール対マンチェスター・シティの一戦は2-2のドローで勝ち点を分け合う形となった。プレミア王者としてはビハインドから2度追い付いており、成績の良くない近年のアンフィールドでの対リヴァプール戦を考えれば悪くない結果だったか。
そんな白熱した試合となったこの一戦だが、スランプから抜け出す兆しを見せた選手がいる。FWラヒーム・スターリングだ。
以前まではウイングを主戦場とし、18-19シーズンには17ゴール10アシストと30ゴール近くに関与する素晴らしいプレイヤーであったスターリング。しかし、フィル・フォーデンの台頭や新加入であるジャック・グリーリッシュの影響もあり、出場機会は激減。今季はセルヒオ・アグエロの抜けた9番でピッチに立っているが、ファーストチョイスではない。
このように自身を取り巻く環境が良くないスターリングだが、リヴァプール戦では66分にセンターフォワードとして投入されている。この状況であれば昨季の終盤あたりから9番で起用されているフェラン・トーレスやドリブラーであるリヤド・マフレズを投入し、ガブリエウ・ジェズスを真ん中に持ってくる案も考えられたが、指揮官であるジョゼップ・グアルディオラが選択したのがスターリングのストライカー起用だ。
結果的にこの起用は当たっていた。グリーリッシュと交代したスターリングだが、イングランド代表MFに無かった裏への抜け出しを頻繁に行っており、ボックス内で深さを作っていた。こうすることにより、バイタルエリアでのマークが薄くなり、ベルナルド・シウバやケビン・デ・ブライネが動きやすくなってくる。ベルギー代表MFの2点目の場面でもボックス内に走るスターリングにジョエル・マティプ、フィルジル・ファン・ダイクがつられており、よりゴールに近い位置でマティプにボールがディフレクトし、ゴールネットを揺らしている。
動き出しでは二重丸だったスターリングだが、まだまだ足元でボールを扱う技術や判断力の改善は必要か。
まだまだ時間はかかりそうだが、スランプ脱出の道筋が見えたスターリング。このまま調子を上げることが出来れば、9番での起用も増えるだろう。