昨季アルゼンチン国内リーグで最多のドリブル成功数記録したベラスコ photo/Getty Images
欧州だけが選択肢ではない
今冬にFCダラスが注目のアメリカ代表FWリカルド・ペピ(19)をドイツ1部のアウグスブルクへ送り出すなど、最近はアメリカ・MLSのクラブが移籍市場でも話題を呼んでいる。
MLSで育ったアメリカの若手が欧州へ向かう動きも珍しいものではなくなったが、それに合わせて注目を集めているのが南米の若手選手たちだ。
例えば前述したダラスFCは、現在アルゼンチンのインデペンディエンテでプレイする19歳のFWアラン・ベラスコ獲りへ近づいているという。ベラスコはU-17アルゼンチン代表の一員として2019年のU-17ワールドカップも経験した小柄なドリブラーで、データサイト『WhoScored』によれば昨季のアルゼンチン国内リーグにおいてベラスコはトップとなる112回ものドリブルを成功させている。167cmと小柄ではあるものの、その突破力はアルゼンチン人選手らしい迫力がある。

ペニャロールで活躍してきたファクンド・トーレス photo/Getty Images
MLS行きは南米の強化に繋がるのか
他にも2019年に創設され、今年よりMLSに参戦する予定のシャーロットFCはエクアドルのLDUキトより22歳のエクアドル代表MFジョルディ・アルシヴァル、ブラジルのインテルナシオナルから19歳のブラジル人FWヴィニシウス・メロを獲得。
エクアドル代表からは昨夏にDFグスタボ・バジェシージャ(22)も久保裕也が所属するMLSのシンシナティFCに加入。パラグアイの名門クラブ・リベルタにて2020年にリーグ戦17得点、昨年は10得点を挙げたパラグアイの世代別代表FWカルロス・フェレイラ(22)は今冬にMLSのヒューストン・ダイナモと契約。
さらにはウルグアイ代表ですでに10試合プレイしているFWファクンド・トーレス(21)が今冬にMLSのオーランド・シティSCと契約。ウルグアイ国内の名門ペニャロールで左のウイングを主戦場としてきたファクンド・トーレスにはセリエAのインテルも関心を寄せているといった情報もあったが、選んだのは欧州ではなくアメリカだった。
MLSのレベルが上昇しているのは間違いなく、サラリーの部分も1つの魅力なのだろう。南米の若い選手たちの選択肢は増えており、欧州へ向かう以外にもキャリアを充実させる手が増えてきている。
ただ、これが代表チームの強化に繋がるかは微妙なところ。
南米の注目株がアメリカへ向かう流れが続いた場合、南米代表チームのレベルにどのような影響を与えるのか。今後の1つの注目ポイントとなりそうだ。