ネイマールも獲得できると考えられてきた photo/Getty Images
予想を超える長さでC・ロナウドとメッシが支配
2008年以降、世界最高の選手に贈られるバロンドールは特別な時代に入った。過去には例を見なかったことだが、クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシの2人が10年以上にわたって支配することになったのだ。
2018年にはルカ・モドリッチが受賞したが、それ以外はすべてロナウド&メッシだ。昨年も議論はあったが、結局はメッシが7回目の受賞を決めた。これほど2人の支配が長く続くと2000年代に予想していた人は少なかっただろう。バロンドールは毎年のように別の選手へ渡っていくと考えていた人が大半だったはずだ。
今になって注目されているのは、2012年に米『Bleacher Report』が予想していた「今後10年間のバロンドール」だ。
その予想では2012年と2013年がメッシ、2014年はロナウドとなっているが、2人の支配はここで一区切りと予想されている。そこからは別の選手たちによる新たな時代と考えられていたのだ。

レアンドロ・ダミアンもセレソンのエースになると期待された photo/Getty Images
レアンドロ・ダミアンは2012年のロンドン五輪で得点王になっている
2015年はレアル・マドリード、アーセナルなどで活躍した現フェネルバフチェMFメスト・エジル、2016年はEURO2012で大器の可能性を感じさせたイタリア代表FWマリオ・バロテッリ、2017年はチェルシーで怪物の片鱗を見せていた現レアル・マドリードFWエデン・アザール。
2018年はどこかのタイミングで獲得するだろうと早い段階から予想されていたパリ・サンジェルマンFWネイマール、2019年はそのネイマールと一緒に2014年のワールドカップ・ブラジル大会も戦った上海上港MFオスカル、2020年は現在リヴァプールで南野拓実と共闘するMFアレックス・オックスレイド・チェンバレン、2021年は今もアスレティック・ビルバオ一筋でプレイを続けるFWイケル・ムニアインが受賞すると予想されている。
他にもドルトムントFWマルコ・ロイス、PSV所属MFマリオ・ゲッツェ、レアル・マドリードFWガレス・ベイルもファイナリストには入ると予想されていたが、いずれも外れだ。
ネイマールは可能性を感じさせたが、やはりメッシとロナウドの壁は厚い。この2人と同じ時代でなければバロンドールを獲れたかもしれないが、今ではキリアン・ムバッペなど後輩の猛追を受けている。
さらに2018年には現在川崎フロンターレでプレイしているブラジル人FWレアンドロ・ダミアンもファイナリスト3名に入ると同メディアより予想されているが、これも外れだ。レアンドロ・ダミアンは2012年のロンドン五輪で得点王にも輝いており、セレソンでもエースになると期待されていた逸材だった。こう予想したくなるのも頷ける。
ストライカーではバロテッリもポテンシャルは怪物級だったが、フットボールのみに集中できない暴れん坊タイプでもあった。それはレアル移籍直後に太りすぎと指摘されたアザールにも言えることで、年齢的にアザールはレアルをチャンピオンズリーグ制覇に導いていればバロンドールにも手が届いたかもしれない。それだけの才能はあったはずだ。
結果的にはエジル、バロテッリ、アザールらは下降線をたどるのが早く、ベイル、チェンバレン、ロイスは怪我に苦しんだ。怪我が少ないことも才能の1つであり、その要素をメッシとロナウドは備えていた。
結果的にはモドリッチしか2人の牙城を崩せず、ずっとロナウド&メッシ時代が続くことになった。ここで名前が挙げられた選手にはバロンドールを狙うだけの才能があったはずだが、期待通りの成長を遂げた選手は少なかったか。