メッシはリーグ・アンで苦戦気味だ photo/Getty Images
2人とも移籍先で苦戦気味
2000年代後半よりスタートしたリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドが主役の時代は、終わりへと向かっているのだろうか。今季は2人の怪物が苦戦している。
共通点として、両者とも昨夏にクラブを変えたところは考慮すべきだろう。メッシはバルセロナを離れてパリ・サンジェルマンへ、ロナウドはユヴェントスを離れて古巣マンチェスター・ユナイテッドに復帰することになり、新しいクラブに適応するのは誰もが苦労するものだ。
しかし、個人のパフォーマンスレベルにも目を向けるべきだ。ロナウドの場合はマンU全体が開幕より苦しい状態にあり、シーズン途中に指揮官の交代も起きた。これもロナウドのフォームに影響しているのかもしれないが、あのロナウドがまだリーグ戦得点数が二桁に乗っていないのは異常事態だ(9得点)。37歳を迎えたロナウドの技術、あるいは身体能力に衰えが出始めているのかもしれない。

ロナウドもまだリーグ戦二桁得点に届いていない photo/Getty Images
W杯で大暴れする可能性はまだある
メッシの場合は、バルセロナ以外のクラブでも世界最高峰の輝きを放てる選手なのかが試されている。34歳とベテランになってから他クラブでの挑戦に踏み切るのは色々と難しい部分もあるが、ここまでリーグ・アンでは2得点10アシストに留まっている。アシストの部分はさすがだが、リーグ戦16試合をこなして2得点はバルセロナ時代のメッシであれば考えられない数字である。
バルセロナのスタイルでなければ100%の輝きは放てないのか、それとも34歳を迎えたメッシ自身のパフォーマンスが落ちてきているのか。いずれにしても評価がダウンするシーズンになっているのは間違いない。
いつかは2人が中心だった時代にも終わりがくるものだが、2人揃って苦戦しているのは何とも印象的だ。
ロナウド擁するポルトガル代表はまず欧州予選プレイオフを勝ち抜く必要はあるが、以前までのロナウドはこうした大一番でこそ力を発揮してきた。プレイオフを勝ち抜けずにワールドカップ出場権を逃すようでは、ロナウド衰退説は加速するだろう。
まだ2人はサッカー界の頂点に君臨する存在なのか。2022年はこれまでなかった議論が本格化する1年となりそうだ。