正確なタックルでフルスティッチからボールを奪う吉田麻也 photo/Getty images
何とかクリーンシートに抑えたが
2-0でオーストラリア代表に勝利し、ワールドカップ・カタール大会への出場権を確保した日本代表。これで1998年のフランス大会から7大会連続での出場を決めている。
喜ばしい出来事となったこの勝利だが、浮かれている場合ではない。4月1日には抽選会が行われ、グループステージの相手が決まることになる。今年の11月開催であり、残り約8カ月を大事に使う必要がある。
オーストラリア戦で気になったのは、攻撃の質よりも守備陣の質だ。無失点であり、5試合連続クリーンシートを達成したわけだが、安心して見ることのできる守備陣ではなかった。特にキャプテンの吉田麻也だ。
シーズン終盤ということもあって所属クラブでの疲労もあるのかミスを連発してしまった。ビルドアップではパスをカットされ、一気にカウンターを受けてしまう場面も。オーストラリア戦はボールを持って戦うことができており、センターバックである吉田にそこまでプレッシャーはかかっていなかった。が、ビルドアップでミスが出てしまうのは、少し厳しい。大雨の影響でピッチコンディションが悪かったのかも知れないが、浅野拓磨へのロングフィード以外の選択肢が少ないように感じた。
長い目で見れば、今後期待したいのは吉田ではなく冨安健洋と板倉のコンビだ。残念ながら怪我の影響で今回は不参加となった冨安だが、ビルドアップにしても守備能力にしても日本ではトップクラスのものを持っている。また、日本代表は相手のロングフィードを跳ね返すために重心を下げていたが、後方の広いエリアを快足でカバーできる冨安がいればある程度ラインを上げることができる。オーストラリア戦ではそのラインが低いために、遠藤が広い中盤を一人でカバーしなければならない場面が散見されている。
欧州からの長旅もあってコンディションが整っていない吉田。ここから日のあるベトナム戦では普段のパフォーマンスを見せてくれると予想できるが、そうでない場合は一刻も早く世代交代を完了させる必要がありそうだ。