少ない出番でも確実に活躍するモハメド・エルネニー photo/Getty images
比較的簡単な試合を落とし、難しいゲームで勝っている
4位争いを勝ち抜けるためにも全試合勝利必須のアーセナルは2日にアウェイでウェストハムと対戦。ELを戦ったウェストハムに比べ日程に余裕のあるアーセナルだが、後方からのビルドアップが安定しない。
両センターバックが重要なゴールを決め、勝ち点3を獲得したアーセナルだが、得点を奪ったホールディングをはじめ普段は控えとされる選手が躍動していた。
まずはホールディングだ。ベン・ホワイトが不在となったことでマガリャンイスと共に攻守に躍動し、最終ラインからチームを支えている。ホワイトほどビルドアップで強みを見せられなかったが、決して穴になることのないパス捌きで弱みを見せていない。豪快なヘディングでのゴールもそうだが、このゲームではホールディングの空中戦が強かった。6戦6勝と勝率100%を記録しており、ウェストハムのロングフィードをはじき返している。ゴールを決めたこともあって英『90min』の採点ではこのホールディングが最高評価。しっかり第3CBの役目を果たした。
次にグラニト・ジャカと共に中盤を支えたモハメド・エルネニーだ。トーマス・パルティが怪我で離脱して以降、一時はジャカとアルベール・サンビ・ロコンガの並びが多かったが、ミケル・アルテタ監督は連勝の始まったチェルシー戦からエルネニーとジャカのコンビで試合に臨んでいる。
最後はアレクサンドル・ラカゼットの代わりにセンターフォワードで出番を得たエディ・エンケティアだ。序盤はパスミスが目立っていたが、ポストプレイに守備と多くの局面で躍動。カウンターの際は前線で受け、そのまま一人でフィニッシュする流れが多く、ゴールとはならなかったが、シュートを打つたびに精度が上がっており、ウェストハムの守護神ウカシュ・ファビアンスキのビッグセーブがなければゴールとなっていた可能性はあった。
クリスタル・パレス、ブライトン、サウサンプトン相手に3連敗とCL出場が一気に遠のいたアーセナルだが、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、ウェストハムと明らかによりハイレベルな3連戦を3連勝で終えている。そこで輝きを放っているのは控え組であり、スタメン組ももちろんだが、前述したホールディング、エルネニー、エンケティアらが選手層を厚くしている。3連敗の際は冬の移籍市場での動きの少なさを指摘されたが、このままいけばその動きは大正解だったということになりそうだ(データは『SofaScore』より)。