レスターを引っ張り続けるバーディ photo/Getty Images
クラブの象徴的プレイヤーに
100万ポンドでやってきた無名のストライカーがクラブの象徴になると誰が予想しただろうか。ちょうど10年前の2012年5月17日、FWジェイミー・バーディのレスター・シティ加入が決まった。
当時のレスターはまだプレミア・チャンピオンシップ(イングランド2部)に所属しており、プレミアリーグは2003-04シーズン以降遠ざかっている場所だった。今でこそレスターはプレミア常連の存在となっているが、当時は日本のサッカーファンの間でもそこまで有名なクラブではなかったはずだ。
バーディは2013-14シーズンに16ゴールを記録してチームのプレミア昇格に貢献すると、2015-16シーズンからプレミアリーグでも本格的に爆発。24ゴールを挙げて奇跡のプレミア制覇を成し遂げ、それからも継続して二桁ゴールを決めている。
この10年を振り返ると、レスターでは通算383試合に出場。成績も163ゴール63アシストと見事だ。2015年にはイングランド代表にも選ばれることになり、アマチュアのカテゴリーで若き日を過ごしてきたストライカーは一流の選手へと化けた。100万ポンドから始まった信じられないミラクルだ。
遅咲きだったこともあって35歳と大ベテランになっているが、それでも自慢のスピードなど身体能力が大きく衰えたようには見えない。今季は怪我に悩まされたが、それでもリーグ戦では14ゴールを記録。5月はノリッジ・シティ、ワトフォード相手に2ゴールずつ記録しており、来季へ期待の持てる終盤戦だ。
英『TalkSport』は「もう彼のようなストライカーは出てこないかもしれない」と取り上げているが、バーディのようなストーリーを描く選手はかなり珍しい。