今夏には注目FWシエバチュを補強 photo/Getty Images
原口元気もいざELへ
もうベルリンの力関係は完全に逆転した。
今季のブンデスリーガ開幕戦でいきなり実現したウニオン・ベルリンVSヘルタ・ベルリンのベルリン・ダービー。
その流れは今季開幕戦も変わらなかった。ウニオン・ベルリンはホームでヘルタ・ベルリンを3-1で撃破。本拠地のシュタディオン・アン・デア・アルテン・フェルステライは収容人数は約2万人と小規模なスタジアムではあるが、今このウニオン・ベルリンの本拠地が熱い。
今夏には昨季のチーム得点王だったナイジェリア代表FWタイウォ・アウォニイがイングランドのノッティンガム・フォレストに引き抜かれ、チーム第2位の得点数を記録していたMFグリシャ・プロメルもフリーで退団。
今季は苦しくなるかと思われたが、ウニオン・ベルリンはセンターフォワードにスイスのヤングボーイズから190cmの大型アメリカ代表FWジョルダン・シエバチュ、サンプドリアからノルウェー代表MFモルテン・トルスビーを補強。シエバチュはヘルタ・ベルリン相手にさっそくゴールを決めたが、昨季ヤングボーイズでは22ゴールを挙げてスイス国内リーグ得点王に輝いているアメリカ期待のセンターフォワードだ。そこに目をつけたウニオン・ベルリンは見事と言える。
そして最大の強みが守備だ。昨季はバイエルン、ライプツィヒに次いでリーグ3番目に少ない44失点に抑えており、得点数が50と少ないながらも5位フィニッシュを果たしている。勝ち点も57点稼いでおり、4位に滑り込んだライプツィヒとは1ポイントしか差がなかった。
守備陣はセンターバックのティモ・バウムガルトルが負傷離脱しているが、今夏はFCポルトからディエゴ・レイテをレンタルで補強。レイテはヘルタ・ベルリン戦からさっそく3バックの一角に入っており、勝利に貢献している。
米『ESPN』はウニオン・ベルリンの実力が過小評価されていると伝えており、今季はヨーロッパリーグの戦いを含めて楽しみなチームだ。原口もインサイドハーフとして戦力になっており、チームの守備のために走り回っている。
昨季は鎌田大地、長谷部誠の所属するフランクフルトがヨーロッパリーグを制する快進撃を見せたが、今季原口擁するウニオン・ベルリンはそれに続けるだろうか。地味な印象もあるかもしれないが、今のウニオン・ベルリンは注目する価値のあるチームだ。