先日のエクアドル戦で活躍したシュミット・ダニエル photo/Getty images
評価を高めているGKだ
岡崎慎司が加わり、さらに日本人選手が増えたベルギーのシント・トロイデン。今季はここまで11試合終えて3勝4分4敗で11位とまずまずな成績を残している。
今季のシント・トロイデンは攻撃力が物足りず、11試合で10ゴールしか奪えていない。シント・トロイデンより上の例えば10位のアンデルレヒトは16ゴール決めており、得点力不足が今季の課題である。それでもアンデルレヒトとは同じ勝ち点13であり、粘り強く勝ち点を拾うこともできる。
11試合で失点は11とこれは好成績といっていいだろう。リーグ首位のアントワープ(8点)、2位のゲンク(10点)、3位のクラブ・ブルージュ(10点)に次ぐ失点数の少なさであり、堅守を披露している。その中心にいるのが、日本代表でも守護神を務めるGKシュミット・ダニエルだ。
197cmと日本人離れした長身を持つシュミット。世界で見ても大きな部類であり、先日のエクアドル戦はPKを止めヒーローとなった。
シュミットの強みは高いビルドアップでの貢献であり、現代的なGKとして知られている。ショートパス、ロングパスの精度が良く、自陣深い位置から一気に前線まで展開することができる。それでいてセービングも一級品であり、今季のクリーンシート数4回はリーグ2番目の好成績だ。
ベルギー『Voetbalbelgie』によると、シュミットはこの夏の移籍市場でイングランドへの移籍を望んでいたようだが、オファーがなかったよう模様。
「彼はよくやっているし、希望は持ち続けるべきだ。クラブで活躍することが、他クラブへのアピールになる」
「(移籍を希望するのは)大きな一歩だと思う。イングランドのクラブは移籍市場ごとに多くのお金を使う。その分変化はとても速い。ブンデスリーガやラ・リーガ、フランスのリーグ・アンもいいところだ。そこでは多くのチャンスを得ることができる。クラブで活躍しW杯で頭角を現わせば可能性はあるかもしれない」
同紙にてこのようなアドバイスをシュミットに送ったのは、元日本代表の岡崎だ。プレミアやブンデス、ラ・リーガと多くの経験を持つストライカーで、レスター・シティ時代にはリーグ優勝を味わった。
岡崎が言うようにワールドカップ・カタール大会は大きなチャンスだ。シュミットは9月の2試合で評価を上げており、権田修一との序列を覆したなんて声も聞こえてくる。ビルドアップでの貢献度、セービングと必要な武器を2つ兼ね備えており、W杯がシュミットにとってのターニングポイントになるのだろうか。
シュミットやポルティモネンセの中村航輔と海外で活躍するGKは増えてきたが、5大リーグとなるとストラスブールの川島永嗣に続く選手が出てこない。基本的に1試合に1人という難しいポジションであることも影響しているが、シュミットが川島に続く2人目となるのだろうか。