セルティックで活躍した中村 photo/Getty Images
ワールドクラスだった左足
横浜FCでプレイするMF中村俊輔が今季限りでの現役引退を表明した。
その魔法の左足に魅了されてきたのは日本のサッカーファンだけではない。
現在もセルティックでは古橋や旗手といった日本人選手が活躍しているが、まだ中村のインパクトには届かないだろう。状況が違うとはいえ、中村はセルティックをチャンピオンズリーグの決勝トーナメントへと導いている。
マンチェスター・ユナイテッド相手に決めた2発のフリーキックは中村のキャリアにおいてもハイライトと呼べる瞬間で、中村の左足はセルティックのサポーターに大きな夢を見せてきた。
英『Celticway』も中村引退の話題に反応しており、改めてその凄さを振り返っている。
「ゴールから約30ヤード離れた位置からトレードマークのフリーキックがグラスゴーの夜空を切り裂き、ユナイテッドのGKファン・デル・サールの上を射抜いた一撃はセルティックに貴重な勝利をもたらした。信頼できる左足の一振りで中村はセルティックの伝説となった。セルティックのサポーターたちは、心に永遠に刻み込まれた瞬間を決して忘れない」
また同サイトは、かつてトッテナムでプレイしたスティーブ・ペリマン氏が「ナカムラは左足で豆の缶詰を開けられる」と語っていたことも紹介しており、それほど左足の精度が高かったということだ。
今の日本代表を見ても、中村ほど精度の高いセットプレイを蹴る選手はいない。最悪の場合、今後も現れることはないかもしれない。現在の代表も高さやスピードなど進化している部分も多々あるが、セットプレイに関しては中村と遠藤保仁が左右で担当していた頃の方が精度は高かったと言える。
その左足は世界で認められており、多くのサッカーファンに夢を届けてくれた。