ベルギー戦はコロ・ムアニのシュートが相手に当たってゴール photo/Getty Images
シュートが枠に飛ばないシーンも多い
EURO2024で優勝候補の一角に挙げられているフランス代表は、ベスト16でベルギー代表を1-0と撃破。無事にベスト8進出を決めた。
ただ、ここまでの戦い方はかなり渋い。ベルギー戦では85分にFWランダル・コロ・ムアニが放ったシュートがベルギー代表DFヤン・フェルトンゲンの体に当たり、それがゴールへと転がった。結果上はフェルトンゲンのオウンゴールとなっており、フランスはこの1点を守り切ってベスト8入りを決めている。
フランスはここまで4試合を戦って3ゴールを挙げているが、得点者はFWキリアン・ムバッペ1人のみ。そのムバッペのゴールもポーランド戦でのPKだ。残る2つはオーストリア戦、ベルギー戦のオウンゴールとなっていて、流れの中からは得点者が生まれていないことになる。
シュート本数だけで見ると、フランスは今大会3番目に多い67本のシュートを放っている。しかし、そのうち枠内を捉えたのは16本とやや物足りない。最多82本のシュートを放っているスペイン代表は枠内シュートが30本、2番目に多い72本のシュートを放っているドイツ代表は29本が枠を捉えている。
前線の構成にも迷いがあるだろうか。グループステージでは右ウイングにウスマン・デンベレが入っていたが、ベルギー戦ではデンベレに出番がなかった。右のウイングにはアントワーヌ・グリーズマンが回っていたが、攻撃が機能していたとは言い難いか。
ベテランのオリヴィエ・ジルーも出番がなく、指揮官ディディエ・デシャンの中で納得のいかないところがあるのかもしれない。結果的にはムバッペの個人能力に頼りがちで、左のムバッペ&快速SBテオ・エルナンデスのコンビネーションが生命線となっている。
ウィリアム・サリバ、ダヨ・ウパメカノ、エンゴロ・カンテ、オーレリアン・チュアメニらを中心に守備が安定しているのはさすがと言うべきだが、攻撃面に関しては湿り気味だ。ベスト8ではポルトガルとの対戦だが、今の攻撃の完成度で頂点に届くのか。