プレミアで旋風を巻き起こすボーンマス photo/Getty Images
欧州カップ戦出場権を目指せる位置に
今季のプレミアリーグでサプライズチームの1つとなっているのが5位につけるボーンマスだ。
ボーンマスが評価されている理由は主に2つあり、まずは指揮官アンドニ・イラオラの采配だ。
イラオラは2020年から3年間スペインのラージョ・バジェカーノを指揮してきたが、『Transfermarkt』のスペイン部門を担当するイヴァン・トゥルモはラージョ時代からプレミアリーグに合うサッカーを展開していたと振り返る。
「イラオラはリーガでも自身の哲学を続け、地味な印象のあったラージョを欧州カップ戦出場権争いのところまで導いた。イラオラのスタイルは攻撃的なものであり、常に相手ペナルティエリアを目指す。そのスタイルはプレミアリーグに合っている。イラオラは計算されたリスクを好んでいるのだ」
もう1つは、イラオラのスタイルに合う選手を見つけてくるボーンマスのフロントだ。昨季のボーンマスは12位でフィニッシュしているが、シーズン終了後には得点源だったFWドミニク・ソランケをトッテナムに引き抜かれた。それでもボーンマスは戦力ダウンどころか、昨季以上に強いチームになっている。
ソランケの後釜としてFCポルトからFWエヴァニウソンを獲得したことに加え、2023年にロリアンから獲得したFWダンゴ・ワッタラや、欧州各地を転々とするキャリアを送っていたオランダ人FWジャスティン・クライファートを成長させるなど、イラオラはソランケ退団の穴を見事に埋めた。
同サイトもボーンマスのスカウティングを称えており、例えば現チームの中心となっているクライファート、FWアントワーヌ・セメンヨ、DFイリア・ザバルニー、ディーン・ハイセン、ミロシュ・ケルケズの5人をボーンマスは7680万ユーロで獲得している。この5人の市場価値は現時点で1億3800万ユーロまで上昇しており、いずれもイラオラの下で成長している。
まさに中堅クラブとして理想的な強化策となっており、このままボーンマスを欧州カップ戦出場まで導けばイラオラはクラブの歴史に名を刻む指揮官となるだろう。