王者に一矢報いた井岡 (写真:本人インスタグラムより)
惜しくも勝利ならず
WBA世界スーパーフライ級6位・井岡一翔が、王者フェルナンド・マルティネスとのダイレクトリマッチに挑み、0-3で判定負けを喫した。
試合は序盤から中盤までパワーに勝る王者が、圧力と手数で優位に進める展開を作った。
ただ10回には井岡が意地を見せ、マルティネスからダウンを奪う場面もあった。互いに激しく打ち合う中で、右ストレートと左フックがマルティネスの顔面を捉え、王者に尻もちをつかせた。
試合を通してパンチの技術では間違いなく井岡が勝った。だが結局は圧力と手数など総合力で王者が最後までポイントを取り続けた。判定では114-113、115-112、117-110とジャッジ3人がマルティネスを支持した。
試合後に井岡は「負けたことは素直に悔しいが自分の全力は出せた。やり切った気持ち」と語り、ダウンを奪った時の心境については「倒したいという気持ちが先行して単発になってしまった」と倒しきれなかったことを悔やんだ。
また判定負けしたことについても「勝てないとは全く思わないし、今回も勝ったか、どうなんやろ? という感じだった。不思議な感じ」とジャッジの判定の差ほど実力差を感じなかったことを示唆。当然「限界は感じていない」と引退も否定した。