ユナイテッドの再建を託されているアモリム Photo/Getty Images
悪夢のホーム問題
ルベン・アモリムがマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任して3戦目、4−0でエヴァートンを粉砕した直後の会見で語った言葉が、今となっては現実味を帯びている。地元紙の『Manchester Evening News』が現在のユナイテッドの問題点を伝えている。
「嵐が来る」と警鐘を鳴らしたアモリムは、続けて「マンチェスター・ユナイテッドの監督として、このようなことを会見で語るのは難しいことだとわかっている。違うことを言いたいが、もう一度言うよ。嵐は必ず来る」と冷静に状況を分析していた。
実際、この勝利以降、チームはプレミアリーグでの勢いを失い、得点力不足とホームでの低迷が深刻化している。12月1日のエヴァートン戦以来、ユナイテッドはリーグ戦で23試合25得点と極めて低調。ウェストハムに0−2で敗れた日曜日の試合で、今季のリーグ戦17敗目を喫し、得点できなかった試合はこれで14試合目となった。
さらに、今季オールド・トラッフォードではリーグ18試合でわずか6勝。勝点は21しか稼げておらず、ホーム戦での9敗は“夢の劇場”を“悪夢の劇場”へと変貌させている。アモリム就任以降のホーム成績は36ポイント中わずか11。勝利した対戦相手はエヴァートン、サウサンプトン、イプスウィッチ・タウンの3チームだけである。
この状況を考えると、前任のエリック・テン・ハーグ氏が2022-23シーズンに達成した“ホームの要塞化”がいかに価値のあるものであったかが際立つ。テン・ハーグ氏は就任初年度、プレミアリーグのホーム戦で15勝を記録し、勝点48を獲得。
アモリムにとって、ホームでの戦績改善は来季に向けた最重要課題である。オールド・トラッフォードが再び“難攻不落の要塞”とならない限り、取り返しのつかないものになるだろう。まずは今季のリーグ最終節、アストン・ヴィラ戦に注目が集まる。