元チェルシーのハッチンソン Photo/Getty Images
奇跡のような90分
AFCウィンブルドンに所属する元チェルシーDFサム・ハッチンソンが、今月行われたリーグ2の重要な一戦で心臓発作を起こしていたことを明かした。しかもその試合で、彼は決勝ゴールを挙げていた。
事件が起きたのはグリムズビー・タウン戦。35歳のハッチンソンは、試合開始からわずか6分で心臓発作を起こしたという。しかし本人はその異変に気づかず、そのまま90分間プレイを続行。52分には先制ゴールを決め、チームを1-0の勝利とリーグ2プレイオフ進出に導いた。
しかし、試合後に症状が悪化し、チームバスで帰る途中にノッティンガムで緊急診察を受けた。クラブのメディアに語ったところによると、「アドレナリンが切れた後に胸の痛みがひどくなって、ボブ(クラブのフィジオ)に連れられて病院に行った。そこで心臓発作を起こしていたことが判明した」と回顧している。
当初は感染症の疑いもあったが、数日間の検査の末、冠動脈の75%が詰まっていたことが判明。ロンドンの専門病院で治療を受け、現在は回復の道を歩んでいる。
「精神的に崩壊した。キャリアが終わるんじゃないかと思った。
ハッチンソンはチェルシーの下部組織出身で、トップチームでは6試合に出場。今回のプレイオフ決勝には出場できないが、「サポートに回る。本当は出たいけど、それは叶わない。でも信じている」とチームの勝利を願った。
心臓発作を乗り越えたハッチンソンの存在は、ピッチ外でもチームに大きな勇気を与えている。