創業130年の企業の悩み “社員に理念とビジョンを浸透させたい” 株式会社SPACE PRODUCEが提案したオフィスデザインとは？

TOKYO FMグループの「ミュージックバード」で放送のラジオ番組「週刊Nobbyタイムズ」。時事ニュースをもとに設定したテーマに沿ってお届けするエンタメ＆BIZ情報バラエティです。番組パーソナリティは、金融業に従事しながらDJ・ナレーター・司会者・金融コメンテーターとして活動中のDJ Nobbyが担当。今回の放送では、株式会社SPACE PRODUCEの代表取締役・小林佐理（こばやし・さり）さんがゲストに登場。社員に企業理念・ビジョンを伝えるためのオフィスデザイン案件を紹介しました。創業130年の企業の悩み “社員に理念とビジョンを浸透させた...の画像はこちら &gt;&gt; （前から）株式会社SPACE PRODUCEの小林佐理さん、DJ Nobby◆社員が出社したくなるようなオフィスづくりNobby：今回は、SPACE PRODUCEがこれまで手掛けた案件のなかから、特に中小企業のオーナーのかたの参考になるであろう事例をお伝えします。オフィス空間のプロデュースはデザイン性とか機能性、居心地のよさなどのいろいろな要素があります。宮田さんは働かれている会社のオフィスデザインって重視しました？宮田：そうですね。オフィススペースだけじゃなくて、交流スペースがあるといいなと思いました。座ってもいいし、寝転んでもいいし、そこで仕事をしてもいい、そんなフリースペースみたいなところがあると嬉しいですね。Nobby：小林さん、そういうのって流行りとしてありますか？小林：あります。番組に3回出演させていただいて、2回目まではエンゲージメントについて詳しくお話しをさせてもらい実例なども紹介しましたが、一番多いのはやっぱり自分が働き甲斐、働きやすさを感じられるかどうかなんですよね。コミュニケーションとか人間関係を重視して、そういったフリースペースを増やす会社は多いです。Nobby：昔のオフィスは机と椅子が並んでいればいい、みたいなところがけっこうありました。宮田：今ってリモートワークもするようになったから、出社してほしい会社側の課題もありそうですよね。小林：おっしゃるとおりです。社員が出社したくなるようなオフィスを作るのは非常に重要なことだと思います。◆税理士事務所が抱えるオフィスの課題は？Nobby：今日は「SPACE PRODUCEってそこまでやるのか」と思うような事例をご紹介していただけるということで、今回は税理士法人さんのケースです。まずは、どんな課題があったのか教えていただけますか？小林：TOMAコンサルタンツグループという、創業130年以上の会社様です。私が会った頃はその方は社長だったんですけども、今は代表取締役会長になられている5代目で、その方からお電話をいただきました。その会社は丸の内にあるんですけども、税理士法人だけではなく、社労士さんだったり行政書士さん、司法書士さん、公認会計士事務所さんが在籍していて、かなり大規模な企業だったんですね。200名以上の専門家を抱える会社からのご連絡で、どんな用件だろうと思ったら、「社員に理念とかビジョンといった僕の考えを伝えたいんだよ」と言われました。Nobby：内装を専門としているSPACE PRODUCEに直接お電話をかけてこられて、そのようなご相談があったんですね。小林：税理士事務所って1人1社を担当することがほとんどで、大手だったら複数人でやると思うんですけども、チームでやるというよりは個人が会社を見ることが多いんですね。TOMA会長は元気に楽しく働けてこそ、お客様に感動や満足を届けられるというお考えの人で、空間のなかで理念・ビジョンを伝えたいとのことでした。あとは社風ですよね。事務所自体はカッコいいんですけども、けっこうドライな感じだったんです。宮田：お題の抽象度の高さから非常に難しそうな依頼ですね。Nobby：研修をやるとかではなく、オフィスデザインを通してですからね。なかなか大変な事案だと思います。◆訪問者が驚くデザインにしたかったNobby：課題解決はどのようにされたのでしょうか？小林：理念・ビジョン、会長が考える「明るく楽しく元気に前向き」をどうやって社員さんに伝えるかを考えました。結果、今回は空間デザインではなく、グラフィックデザインを前面に出すことにしたんですね。グラフィックでオフィスの内装を装飾しようと考えました。Nobby：どういったグラフィックを使われたんですか？小林：グラフィックデザイナーと相談して、来訪される方々がTOMAさんのところに来たときに「何これ!?」みたいな話題にあがりやすいものにしようと決めました。Nobby：来た人が驚くデザインみたいな。小林：そうです。税理士事務所に行くと、だいたいはA4サイズの節税対策のビラが何枚も並んでいて文字ばっかりなんですよ。もちろんそれを持って帰る方はいらっしゃると思いますけど、難しい内容が多いですよね。なので、すごくわかりやすく「何だこれは？」と思ってもらえるようなものを作ったんです。TOMAさんはきちんとしたロゴもありますので、我々はそこからちょっとシャレを出して、TOMAと野菜のトマトをかけ合わせたんですね。Nobby：なるほど！小林：トマトの膨らむ果実のごとく、成長し真っ赤に熟すように一緒に成長していきましょうという意味で、「TOMAとトマトをご一緒させてください」と提案しました。宮田：たしかに、税理士事務所に行っていきなりトマトの絵がドンとあったら驚きますし、ユニークだなって思いますね。小林：まず、TOMAとトマトが一緒になった大きいロゴ「TOMAと。ご一緒させてください」を作りました。会社の内装としては、入口に入ると会議室につながる廊下があるんですけども、そこが長いんですよね。そこに先ほど言った難しい税金対策のチラシとかがあったんですけども、全部取り払ってTOMAとトマトのパネルを作ったんですよ。顧客への思いをわかりやすく、記憶に残せるものにしました。昔の会社だと、理念やビジョンを朝礼で読まされるイメージがありますよね。それだと頭に入ってこないんですけど、お客様から「なぜTOMAとトマトをかけたの？」と質問されると、「会長がダジャレ好きで」という話から理念やビジョンの話になりますよね。Nobby：なるほど。お客様に会社の理念やビジョンを聞いてもらうスイッチを作ったわけですね。宮田：お客さんに聞かれたら自分で答えることになりますし、人に説明するときが一番内容を理解できますもんね。Nobby：遊び心がありますね、とお客様に言ってもらって「うちの会社は遊び心があるんだ」と自分の言葉として伝えていく、その行動を触発するわけですね。◆数字はわかりやすいイメージで伝える小林：組織に対して社員が貢献してくれるようにするためには、社員の思いを変えないといけないんですね。社長が面白いことをやってしまうと「こんなこともやっちゃっていいんだ」って思いますよね。「この会社でもっと伸びていこうよ、自己成長していこうよ」ってところに繋げるために、TOMA会長と打ち合わせをしながら作っていきました。あとは、たとえばメールマガジンの場合ですと、購読数は1万5,000名とのことで、武道館に集まる人数よりも多い点を表現しました。Nobby：数字を出すときはイメージしやすいものにすると。イメージするオフィスデザインのお仕事というよりは、どちらかというと広告デザインですね。ご相談内容を真正面から受け止めると、オフィスを変えるよりそっちだったという結論だったんですね。型にはまった商品を提供するのではなく、コンサルをしたうえでカスタマイズしてご提案いただけるという、象徴的な案件なのかなと思います。小林：顧問先に関しても、そういった柔らかいものがあると、「この会社と組んでよかったな」「伸ばすためにはこうすればいいんだな」とお金の話も聞きやすくなるんですよね。柔らかい雰囲気のなかでミーティングできるようになるのも我々の狙いでしたので、廊下に10個ぐらい数字を表したパネルを作りました。設計のプロとして、空間デザイン、表層を変えるのはもちろん大事なところなんですけども、投資対効果で判断ができれば、装飾で変えたほうが効果が出る場合もあります。我々はお客様を感動させたいので、そういった考え方を空間デザイナーと組んで提案する。設計事務所って実はデザインもできちゃったりするんですよ。ですので、悩みを抱えていらっしゃる中小企業のオーナーさまからのいろいろなお話を伺ってみたいですね。＜番組概要＞番組名：週刊Nobbyタイムズ放送日時：毎週木曜日 19:00-20:55出演者：DJ Nobby（パーソナリティ）、宮田リコ（アシスタント）、高橋里実（アシスタント）番組Webサイト：https://musicbird.jp/cfm/timetable/nobbytimes/