子供のころの給食で好きなものって何でした?「あたしは、カレーうどん」「やっぱり揚げパンかなあ」。今どきの給食の人気は1位がジャンボ餃子、2位がカレーライス、3位がパリパリサラダなんだそうです。

(東京都内某小学校調べ)。



今どきの給食は、味噌ラーメンやナシゴレンなどの普通に大人が食べたいようなメニューもあります。今の子供たちは幸せ者ですね!



そんな今どきの給食ですが、メニューのバリエーションもさることながら、実はものすごく気を遣って作られています。給食試食会に行った時の栄養士の先生の話を聞いて驚きました!知らなきゃソンソンな、都内の小学校の給食試食会で管理栄養士さんから聞いた話をお伝えします!



■給食室の先生のエプロンは何色ある?エプロンの色に隠された秘密とは?



給食室では日々大鍋で調理されているわけですが、その時にエプロンをして作業します。そのエプロンですが、行程ごとに色分けされています。何色あると思いますか?



正解は「6色」です!それぞれの色にそれぞれの意味があります。どんな意味があるのでしょうか?



1.黄色いエプロン

外からやってきた食材が納品される場所は「汚染地域」、調理をする場所は「非汚染地域」と分けられているそうです。なんとも物々しい言い方ですね・・。食材が納品される「汚染地域」では、食材の重さ、温度、傷みを確認して納品されます。そのときに給食の先生が掛けるエプロンの色は「黄色」です。



2.ピンク色のエプロン

納品された肉や魚は、ビニールから出してすぐに食缶に移されます。ビニールにも菌がついている可能性があるので、1つでもリスクを減らすための手間なのです。魚や肉は1人分の分量に切り分けて納品されますが、さらにその下ごしらえする人がいます。野菜も切ります。

その人がしているのが「ピンク色」のエプロンです。



3.水色のエプロン

材料の準備が整ったらいよいよ調理です!その人のエプロンの色は「水色」です。



4.白い色のエプロン

さあ、いよいよ給食ができあがりました!その給食を配缶(給食って缶に入っていましたよね!)する人が掛けているのは、「白い色」エプロンです。



5.緑色のエプロン

食器や調理道具の後片付けをする人が掛けるのは「緑色」のエプロンです。ちなみに、食器をどうやって洗浄するかというと・・食器用洗剤につけこんで、手洗いをして、食器洗浄機にかけて、熱風保管庫に入れ、殺菌庫で一晩保管するそうです。一般家庭とはまるで違う徹底ぶりです!



6.綿の水色のエプロン

アレルギー対応食を作る人が掛けるエプロンは「綿素材の水色」のエプロンです。ちなみにアレルギー食は、給食室内の区切られたスペース(ミニキッチン)で作られます。お代わりはできないけど多めに作るという心配りがされています。



このように、調理の段階ごとに違うエプロンを使うことによって、食中毒を防ぐという徹底した衛生管理が行われています。



食中毒対策は、これだけではありません。

校長先生も給食室には入れません。なぜか?給食室の中に入れる人は、細菌検査を受けた人のみだからです。なので、給食を作る人は、普段の食生活も制限され、生肉を食べることもNGなのです。



そして、材料ごとの作業導線やタイムスケジュールを毎日紙に書いて計画して、食材が調理までなるべくすり合わないようにして食中毒防止をしています。



こんな細心の注意を払いながら日々給食は作られていて、本当に頭が下がります!



■どれくらい残している?残食率はチェックしています



「苦手な給食が食べられなくて昼休みがつぶれた・・・」なんて思い出がある方もいるのでは?残した給食はそのまま廃棄処分されるのでしょうか?いいえ違います、残食率は重さをチェックしてパーセンテージを出すのです!



残食率1パーセント未満で「ヨカッタ!」と喜ぶそうです。また、10パーセントを超すと「ガーン」という感じだそうです。残食率が高いと、味や形を見直すということです。食べなかった子供たちを好き嫌いが多いと一刀両断するのではなく、どうしたら食べてもらえるのかを考えてくれているのです!



■使ってはイケナイ食材とは



「え?なんでなんで?」というものもありますが、それくらい厳しい基準で給食は作られているということです。なお、自治体によって基準は違うそうです。



菓子パン「加工食品だから」
マーガリン「トランス脂肪酸が含まれているから」
大豆の水煮缶「スーパーで市販されているような加工食品(すでに煮てあるもの)は使わず、豆と水からコトコト煮ます」
ソフト麺「パックされているビニール袋に雑菌がついている可能性があるものを直接お皿の上にのせるわけにいかないから」



■こんなに手間暇かかっているとは思わなかった!



給食を作っている管理栄養士さんの話を聞いて、どれだけ気を遣って、心を砕いて作っているのかがよくわかりました。食べることは生きることです。作っている人の顔が見えて、気持ちが分かれば、苦手な食材も「ちょっと頑張って食べてみようかな」と思いますよね。



揚げパンの誕生秘話があります。大田区の学校で、欠席した子のために残ったパンで作ったのが揚げパンだったとのこと。お腹だけでなくココロも満たされる給食、今日もおいしく食べてきてね!子供たち!



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