親との関わりは、子どもの性格や思考などに大きな影響を与えます。なかには、子どもに悪影響を与えるような「毒親」に育てられたという人も。
そこで今回は、毒親に当てはまるタイプやしつけに対する考え方をご紹介します。自分の育児を振り返りながら、毒親の傾向を学んでおきましょう。
■「毒親」は4パターンある
一口に「毒親」といっても、その内容はさまざま。精神科医である斎藤学氏は、毒親を以下の4タイプに分類しています。それぞれの特徴や、代表的な事例をみてみましょう。
・過干渉、統制タイプ…何でも先回りし、子どもに「こうすべき」と指示する
・無視タイプ…ワーカホリズム(仕事依存)の親などに多い。ネグレクトも含む
・ケダモノのようなタイプ…暴言・暴力といった虐待、性的虐待など
・病気の親…精神障害や反社会性人格をもった親など
ご覧のように、タイプによって内容や問題点は大きく異なります。毒親の子ども同士で状況や悩みを打ち明け合ったのに、話が合わないことも珍しくありません。毒親について議論する際は、毒親のタイプごとに合わせた解決策を考えなければならないでしょう。
■しつけの際は「子どもの自尊心」を意識して
自分自身が毒親にならないためにも、子どもの自尊心を傷つけてしまうような「しつけ」は避けておきましょう。大人と同じく、すべての子どもにも人権があるということを忘れてはなりません。
ところが、子どもの人権を軽視する大人も存在します。経済面・体力面・精神面での大人との差を踏まえ、「大人である自分の方が上だ」と捉えているのでしょう。
大切なのは、「子どもも人権を持った1人の人間だ」と捉えておくことです。常に冷静でいるために、大人が余裕のある状況でい続けなければなりません。「家計が厳しく不安が絶えない」「ストレスの多い環境にいる」という方は、現状を改善する方法を探してみましょう。
■毒親との関係を断った人も
「たとえ毒親になっても、子どもは親に寄り添ってくれる」と油断してはいませんか?なかには、大人になってから親と距離を取ったケースも珍しくありません。「もう実母には関わりたくない」と感じた女性の体験談を聞いてみましょう。
「1人の子を出産する際、実家のお世話になることに。実家の近くにある産院を予約し、一安心したのも束の間…。予定日を過ぎてもなかなか生まれない現状に、母がいら立ってきました。
そして、ついに『まだ生まれないの!?これ以上あなたの面倒を見るのはイヤ。嫁に出た娘の世話をする必要はないでしょ!』と爆発。
小さいうちは親に頼りきりの子どもでも、ある程度成長すれば「もう親と一緒にいたくない」と感じることもあるようです。早い時期から自立の道を選ぶ子もいるでしょう。毒親に育てられたからといって、無理に親と関わり続ける必要はないのです。
■まとめ
精神的に余裕がない毎日を過ごしていると、毒親に当てはまる行動をしてしまうこともあるでしょう。子どもの自尊心を守るべく、常に心に余裕を持った状態で接するようにしたいですね。自分のためにも子どものためにも、日ごろからストレス解消に取り組んでおきましょう。