周囲に「お金がない」と嘆くと、「私も同じだよ」とフォローされた経験はありませんか?「お金がないのは自分だけでないんだ」と安心する一方、「本当にお金がないのかな」と疑ってしまう人もいるでしょう。
そこで今回は、30~40代の貯蓄事情を覗いてみました。
■30~40代の貯蓄ゼロの割合
2019年3月にSMBCコンシューマーファイナンスが公表した「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019( http://www.smbc-cf.com/news/datas/chousa_190306.pdf )」から、30~40代の貯金状況を見てみましょう。なお、この調査は30~49歳の男女を対象に、1000名の有効サンプルを集めたものです。
この調査の結果、23.1%の人の貯蓄が「0万円(貯蓄ができていない)」であることが分かりました。さらに、24.6%の貯蓄が「1万円~50万円以下」と示されています。両者を合わせると、60.5%の人が貯蓄100万円以下という状況であることが分かりました。
その一方で、8.0%の人が「500万円超~1千万円以下」、9.8%の人が「1千万円超」の貯蓄を持っています。同じ年代でも、貯蓄の状況には大きな差があるようです。なお、上位数%の極端な値の影響を減らすため、上位・下位それぞれ10%のデータを除いて算出した相加平均は195万円でした。
■貯まらない人の特徴とは?
働き盛りである30~40代でも、本当にお金がない人は決して珍しくないようです。彼らには、どのような共通点があるのでしょうか。貯金が少ない人の特徴を探ってみましょう。
・お金を大事にしない
お金に対して無頓着な人は、出費がかさんでも気にしない傾向にあります。そのため、貯蓄に充てるお金が残りにくくなってしまうのでしょう。反対にお金を大切にしている場合は、無駄遣いを減らし貯蓄に励む人が多く見られます。
・自己管理が苦手
自己管理がうまくできないと、「気になるものがあれば買ってしまおう」「あれもこれも食べよう」と不要なものまで買ってしまいやすくなります。なかには、ギャンブルやアルコールに依存してしまうケースもあるでしょう。自分を制する力が弱いと、お金をどんどん使ってしまうリスクが高まります。
・お金の計画を立てていない
貯蓄をスムーズに行うには、「何のためにいくら貯めるべきか」「毎月の収入からいくら貯蓄に充てるか」といった計画を立てることが大切です。なかなか貯蓄が増えない人は、このような計画を立てていない傾向にあります。
■貯蓄を増やす基本は「メリハリ」
お金が貯まらない人も、貯蓄を増やす基本を身につけて改善することができます。といっても、「貯蓄のためになにもかも我慢する」という訳ではありません。好きなものを全て諦めるのではなく、工夫をして賢く経済的に過ごすようにするのです。
たとえば、「ほとんど利用していない動画配信サービスの契約を見直す」というのは積極的にすべき節約ですが、「映画やドラマ鑑賞が好きなのに、愛用している動画配信サービスを解約する」というのはおすすめできません。
大切なのは、支出にメリハリをつけることです。こだわりのアイテムや趣味にはお金を使い、「その代わり、ワンシーズンで着られなくなるような服は買わないようにする」といったルールを決めるのもいいですね。お金の使いどころを見極め、ストレスの少ない節約に取り組みましょう。
■まとめ
30~40代の約5人に1人は、貯蓄がない状態であることが分かりました。お金を貯めない生活が続くと、いざ「貯蓄に取り組もう」と思ってもなかなか金銭感覚を変えられない可能性が高まります。まずは「これなら我慢できそう」と思える項目から、少しずつ節約をする癖を身につけておきましょう。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。