「結婚して家庭を持ってこそ一人前」という価値観が当たり前ではなくなり、自分の人生を楽しむためにあえて「結婚しない」という選択をして「おひとりさま」を謳歌する人もいます。また、パートナーがいたとしても自分の時間を大切にしたいとおひとりさまで行動する人も少なくありません。
今回は、おひとりさまで行動することのメリット・デメリットを見ていきます。
■おひとりさま向けのサービスが続々
女性がひとりで外食したり映画を観に行ったりという行為は、一昔前なら好奇の目で見られることもあり、一種のタブーとも言える行動でした。しかし、最近では「ひとり旅」「ひとりカラオケ」「ひとり焼肉」など、さまざまな「ひとり」を楽しむ女性が増えています。
おひとりさまを楽しむための施設やサービスは年々増えており、2018年11月、菱熱工業は1人専用のホットヨガルームを発売。ホットヨガに興味があるけれど一緒に行く人がいない、体を他の人に見られるのは恥ずかしいという人にはぴったりなのではないでしょうか。
また、「ひとりラブホ」というのもあり、ラブホテル側もカップルだけではなく様々な層に来てもらえるようなサービスを考えているようです。
ラブホテルはシティホテルよりも低料金なのに豪華な設備でリッチな気分を味わえる空間。部屋によってはカラオケやマッサージチェア、ジャグジー、ルームサービスなど使うこともできるので、自分へのご褒美として利用するのに意外と使えるといいます。
このようにおひとりさまを楽しむサービスも増えているので、自分さえ気にしなければおひとりさまをエンジョイできそうですね。
■おひとりさまのメリット・デメリットは?
しかし、おひとりさまで過ごすのは良いことだけではないようです。さまざまなシチュエーションでのメリット・デメリットを紹介します。
買い物をするとき
買い物を自分のペースでできるのはおひとりさまのメリットです。何回も試着したり、他のお店を見てまた戻ったりなど、他人のことは気にせず自分の好きなように買い物できるのは気持ちが楽ですよね。
一方、1人だと話しかけやすいのか、店員との会話に時間をとられてしまう、キャッチセールスに遭遇しやすいなどのデメリットもあります。断ることが苦手な人はこのようなシチュエーションで気疲れしてしまうこともあるでしょう。
旅行をするとき
おひとりさまの旅行は、急に予定を変更することもできますし、現地に行ってから飲食店を決めるといった、そのときの気分や天候にあった旅行を臨機応変に楽しむこともできる点でメリットがあります。
一緒に行く人とホテルの部屋が一緒の場合は、疲れて一刻も早く寝たいのにお風呂を譲り合わなければいけませんし、金銭感覚が違えば本当に食べたいものが食べられないといった不満も出てくるでしょう。
ただ、ホテルの部屋によっては1人で泊まるよりも複数人で泊まるほうがお得なプランも多く、出費が増えるといった悩みもあるでしょう。そして旅での感想をすぐに共有できる相手がいないと、せっかく旅をしているのに「寂しい」と感じてしまうかもしれません。
住むところを探すとき
住む場所を自分で自由に決められるというものおひとりさまのメリットです。予算内の家賃や行動範囲にあわせて、自分にぴったりの家に住むことができます。また、その物件が気に入らなくなればフットワーク軽く引越しできてしまう自由もあるのです。
しかし、家賃を一人で支払うことになるので、広めの部屋や人気の物件には住みにくくなるというデメリットも。また、年齢が上がってくると、親や兄弟などに保証人を頼めなくなり、賃貸契約などが結べなくなるリスクもあるので注意が必要です。
■おひとりさまは老後が心配?
結婚せずにおひとりさまで生きていくのであれば、自分で老後資金までの準備をきちんとしておかなければ老後は寂しいものになってしまいかねません。
総務省の「家計調査報告(2018年平均結果)( https://www.stat.go.jp/data/kakei/2018np/gaikyo/pdf/gk02.pdf )」によれば、60歳以上の単身無職世帯の消費支出は1カ月平均14万9603円となっています。
一方、厚生労働省が公開した「厚生年金保険・国民年金事業の概況(平成29年度版)( https://www.mhlw.go.jp/content/000453010.pdf )」によると、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額(老齢年金)は、平成29年度末現在で14万7051円なので、年金だけだとキビシイ状況に。”老後2000万円問題”が取り沙汰されるなど、不安になることも多いですよね。
しかし、おひとりさまは出産・育児に左右されることなくキャリアに集中できるというメリットもあります。寂しい老後にならないように、なるべく早くから老後の備えを始めて、余裕資金で旅行や趣味を楽しむというお金の使い方をすることが大切ではないでしょうか。