現在全国的な非常事態宣言が発令されているので、外出を自粛して家にこもる人も多いでしょう。ずっと家にいるので片付けをする機会も増えて、「これ売れるかな?」と思うこともあるかもしれません。



売り先の1つとして、筆者はずっとフリマアプリをオススメしてきたわけですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が懸念されている今は、一時的に「お休み」するのもいいのではないかと思っています。その理由を含め、今後の対策について紹介していきます。



■フリマサイトを見ていた娘の一言で気づいた「警戒心」



以前、高校生の娘がフリマアプリを見ていたときに、ぽろっと言った言葉があります。それが「送られてくる商品にウイルスはついていないのかな?」でした。COVID-19が物に付着していて、そこから感染するのでは?と心配していたのです。



これに関しては、厚生労働省の『新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)』( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q2-6 )に「WHOも、一般的にコロナウイルスは、手紙や荷物のような物での表面では長時間生き残ることができない」と書かれています。そのためフリマアプリの荷物から感染することはないでしょう。



ただこのような心配をしているユーザーが多少なりともいる可能性はあります。ユーザーの心理はフリマアプリの購買にも大きく影響しますから、出品したけれど売れない状況が出てくるかもしれません。そうなった場合「せっかく出品したのにな」と思ってしまい、COVID-19が収まった後でもフリマアプリをしなくなる可能性があるのです。



■配送時に人と接触をしてしまう



フリマアプリに出品した商品が買われたら、発送をすることになります。コンビニにせよ郵便局にせよ、今の配送のシステムでは必ず人と接触します。

手続きの時だけではなく、配送しようとコンビニや郵便局に行ったら、他の人と接触する可能性もあります。今は人との接触を8割減らそうとしていますから、できるだけ人には会わないようにした方がいいでしょう。



■配達員の負担を増やしてしまう



荷物が増えると、配達員さんの負担が増えてしまいます。今ネット通販を利用する人が増えて、ただでさえ負担が増えている状況です。ときに心ないことを言われたり、態度を取られることがあると聞きます。



先日も配達員さんと少し話をしたのですが、受け取るときに嫌な顔をされたり、場合によっては荷物を直接受け取らずにゴミ袋に入れてその場で消毒をする人もいるそうです。



配達員さんも感染に怯えながら配達をしてくれていますから、今の状況でこれ以上配送の負担、気持ちの上での負担を増やさないようにすることも、筆者たちができる協力の1つだと思います。



■転売横行の一役を買ってしまうかもしれない



フリマアプリでの転売は、マスクや消毒液などが大きな問題になり、出品禁止物として法的にも取り締まるようになりました(※1)。ただCOVID-19の影響で品切れになる物はこれだけではありません。最近ではホットケーキミックスがスーパーの棚から消え、フリマアプリで転売されるようになりました。



本当に使いたい人が正規の値段で買うことができないだけではなく、それを買うことによって、転売を助長させてしまう構図ができてしまうかもしれません。「転売品を買うのはやめよう」と言ってくれる人がいればいいのですが、そうでない場合には、本当に慎重に物を選んでいく必要があります。

あるいは思い切って「今は買わない」と決断するのもいいでしょう。



ちなみにホットケーキミックスは自分で作れます。ネットで検索をすれば、とてもシンプルな材料が紹介されています。



■どうしても今出品しないといけない物もある



このような理由で、非常事態宣言が出ている今はフリマアプリへの参加を見送った方がいいとは思うのですが、一方で今出品しないといけない物もあります。例えば野菜や果物などです。



フリマアプリには多くの食品が出品されていますが、長期保存ができない物もあります。もし他に売り先がなく廃棄してしまうようならば、フリマアプリを使うのもいいと思います。ただし長期保存ができたり、腐敗などの心配がない物は、もう少し先まで待った方が良いかもしれません。



■今はフリマアプリの下準備に時間が取れるタイミング



今の時点では積極的にフリマアプリには参加しない方がいいとは思いますが、COVID-19もいつかは落ち着いてくるでしょう。物流も以前のように安定してくると思いますので、それが見えてきたら出品していきましょう。



そのための準備期間が、まさに今です。トランクルームを提供している㈱キュラーズの調査(※2)でも、「増えた時間の自宅での過ごし方は何ですか?」との問いに対して、片付けや掃除をしていると回答した人が23.5%ともっとも多くなっています。

家中の不用品を見つけて、「これは出品」「これは処分」と分けたり、出品する衣類を少しずつ洗濯したりもできますよね。



他にもフリマアプリの基本的なルールやマナーをもう一度確認して、トラブルに遭わないようにするのもいいでしょう。疑問点があればフリマ事務局に問い合わせたり、「こうした方がいいのでは?」と提案することで、ユーザーからの声として運営側も今後のサービス向上ができるかもしれません。むしろ運営側は、ユーザーの声を聞いたり、フリマのリテラシーを上げるような情報を発信する時だと思います。



■まとめ



今、この状況ではフリマアプリへの参加を自粛した方がいいのでは?と筆者は思っていますが、出品自粛がずっと続くわけではありません。ステイホームの呼びかけもありますが、今は家でできることをしましょう。それがCOVID-19収束につながり、1日も早く通常通りの出品ができるようになるのではないでしょうか。



【参考】
『新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)』( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q2-6 )厚生労働省
(※1)『「国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されました』( https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200310002/20200310002.html )経済産業省
(※2)『休校措置やテレワーク等によって変化した自宅での過ごし方に関するアンケート調査』( https://www.quraz.com/info/pr/20200402.aspx )キュラーズ
(期間:2020年3月25日~27日、対象:全国20~60代の男女796人)



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