新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は就活生の就職活動にも大きな影響を与えています。依然、感染拡大と減少を繰り返しており、今後の企業の採用活動も予定が確定しにくい状況です。



そうした中、内定獲得に向けて頑張っている就活生の皆さんのために、就職面接のポイントとNG項目を紹介します。



■コロナで混迷…2020年7月時点の21年新卒の内定状況



COVID-19で2020年の就職活動の予定が狂ったという人も多いでしょう。リクルートキャリアが7月1日時点の就職内定率を公表しています(※1( https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2020/200707-01/ ))。大学生(大学院生除く)の内定率は73.2%。前年の20年卒の同時期と比べて11.9ポイント低くなっています。



6月になり緊急事態宣言も解除され、徐々に対面での面接が増え始めたように思われましたが、7月の再拡大の状況により、リモート面接に戻りつつあります。



コロナ禍で変わった!面接のオンライン化の注意点は?



電波が安定している場所や静かな空間の確保

オンライン面接で気を付けなければならないことのひとつに、電波状況の確認があります。



面接の時に相手の声が聞こえない、画面が動かないといった状況は避けなければなりません。また、生活音や雑音が入らないよう、静かな空間であることも重要です。電波がスムーズにつながり静かな場所を事前に準備しておけば、余計な心配をすることなく面接に集中することができます。



バッテリー残量や通知音の設定の確認

パソコンやスマホを使ったオンライン面接では、面接の途中にバッテリー切れが起こらないよう充電の確認は必須。オンラインは想像以上にバッテリーが減ってしまいます。充電しながら面接したほうがより安心でしょう。



画面に映る背景や明るさも配慮

オンライン面接を受ける場所が暗いと、画面越しでは暗い印象に映ってしまいます。また、画面に映る背景も配慮したほうが賢明でしょう。シンプルな壁やカーテンの前のほうが、相手の面接官にも好印象に映ります。



リアクションは意識的に大きめにとる

オンライン面接では、対面面接と違い、相手の感情を把握しにくいところにあります。そのため、普段より意識的に大きめなリアクションをとるようにしましょう。また、はっきりとした口調で大きな声で話すことで、面接官も理解しやすくなります。



目線はカメラに。タイムラグを意識

オンライン面接で、画面越しの面接官を見て話してしまうと、相手からは目線が合わない、下を向いて話しているように見えてしまいます。

カメラに目線を向けて話すようにしましょう。また、タイムラグが生じることもあるので、相手が話し終わってから一呼吸置いて話すとよいでしょう。焦らないことが肝心です。



オンライン面接に適した環境を整え、話し方やリアクションを意識するほかは、対面での面接と変わりありません。



服装もスーツで挑み、身だしなみも対面と同様に整えて臨みましょう。



■就職面接・選考で重視されるポイントとは?



就職を希望する企業に選ばれる人材になるために、以下からは就職面接で意識したいポイントを解説します。



コミュニケーション能力

経団連が2018年度まで毎年公表していた「新卒採用に関するアンケート調査」( https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf )で16年連続トップだったのが、コミュニケーション能力です。



仕事では、社内外のさまざまな人たちと関わります。そのため面接では「聴く姿勢」や「質問に対する的確な回答ができるか」などがチェックされるのです。聞き取りにくかったり、意味がわからなかったりしたら、聞き返して構いません。的外れな回答をするよりプラスです。真摯に答えようとする姿勢も伝わるでしょう。大切なのは、面接官の質問の意図をきちんと汲み取り、積極的に答えることなのです。



企業に対する熱意

企業への熱意を測りたい企業も多いでしょう。企業への熱意は事業内容や業界をどれくらい知っているかで見えてきます。



企業の概要だけでなく、事業の現状や業界内のポジションについても学習しておくといいでしょう。企業や業界が抱える課題を調べておくのもおすすめです。そうやって入念にリサーチしておくと、最後の逆質問の際、面接官の印象に残る質問が浮かびやすくなるでしょう。



失敗したことへの対応

どんなに優秀でも「失敗したことがない」という人はいません。面接官も重々承知しています。



面接では失敗談もよく聞かれます。

面接官が聞き出したいのは、失敗そのものではなく、失敗のあとの対応です。素直に失敗を認めたか、どのように対処し、どうリカバーしたのかに注目しています。その点を踏まえてエピソードを準備しておくといいでしょう。



■就職面接で気をつけておきたいNG項目



就職面接では回避すべきNGポイントもしっかり押さえておきましょう。



面接のときに質問をしない

聞かれたことに返答するばかりで質問をしないのは、いろんな意味でマイナスになりがちです。「コミュニケーション能力が不足」「企業に関心・興味がない」と捉えられることもあります。企業についての質問候補をいくつか準備しておいたほうがいいでしょう。ただし、長々とした質問は避けてくださいね。



ビジネスマナーや配慮の欠如

対面での面接では、「面接時間ギリギリに到着」「他の候補者と私語・談笑する」などはNGです。面接時間以外もしっかり見られています。最後まで気を抜かずに、ビジネスマンとしての立ち居振る舞いを心がけましょう。



集団面接などでは話す長さにも注意が必要です。長過ぎると周りへの配慮がないと捉えられることもあります。面接の流れや空気を読み取りながら自分をアピールしましょう。



思いついたままに話す

自分の話は、できるだけ簡潔に伝えるよう意識しましょう。オンライン面接の場合は、対面の時以上に、より簡潔に要点を絞って話すように心がけましょう。思いついたまま話し始めるのもマイナスです。



結論や最重要事項を先に言う練習を積んでおくといいトレーニングになります。ぜひ、優先順位を立てられる人材であることを話の組み立てでアピールしてください。



■まとめ



今年の就活生にとって、先輩たちの経験を参考にしにくい異例の事態となりました。何かと戸惑うことも多いでしょう。内定を勝ち取るには、面接官や採用担当者に「この人と働きたいな」と思ってもらうことが大切です。



事前準備さえしっかりしておけば、面接に集中することができるオンライン面接が増えた今年の就活は、ある意味自分の力を発揮しやすいといえるのではないでしょうか。



ぜひ、COVID-19の状況に負けず、上記のポイントを押さえて、希望の就職先にトライしてください。



参考

(※1)就職プロセス調査(2021年卒)「2020年7月1日時点 内定状況」( https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2020/200707-01/ )株式会社リクルートキャリア
「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」( https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf )日本経済団体連合会