あなたは今、転職を考えていますか?きっかけは人それぞれ、転職を決めるまでにもいろんなエピソードがあります。



今回は、転職のきっかけに関する実態調査の結果と、転職を考え始めた人のエピソードを見ていきます。

企業の悪しき体質や危うい状況に加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響も…。ぜひチェックしてみてください。



■実態調査に見る転職を考えるきっかけとは?



エン・ジャパン株式会社が2020年5月から7月にかけて、1万人以上を対象に「転職のきっかけ」についてのアンケート調査を実施しています(※1( https://corp.en-japan.com/newsrelease/2020/23810.html ))。調査によると、転職のきっかけの第1位は、「やりがい・達成感を感じない(40%)」でした。次いで「給与が低い(36%)」「人間関係が悪い(26%)」が挙がっています。



転職のきっかけといえば、この調査結果のトップ3の項目に当てはまる人も多いでしょう。



ただ、その背景には、人それぞれの多様なストーリーがあるようです。そこで、転職した人たちが転職を考えるきっかけになったエピソードをご紹介します。



■会社の「ダメ体質」に限界を感じて転職した人たち



会社の方針、体制、風土に納得がいかず、転職する人も多いようです。



副業を禁止するなら給料を上げて!

金融機関で働くAさんは、金融機関とは思えないほどの低い給与に不満を漏らします。副業は禁止、週休3日制も選択できないため、低い給与を補完する術もありません。優秀な人が残る理由が見つけにくそうです。



「同僚は同業他社から、年収1.5倍アップの条件でオファーをもらって転職。

管理職以上は、同業他社から特に狙われやすく、ヘッドハンティングを受けている人も多いです。人材流出の流れは止められなさそう…」と打ち明けてくれました。



女性だけがやる仕事の存在に辟易

マスコミ系で働くBさんは「女性だけがやる仕事」の存在が不満だといいます。「そもそも女性の数が少ないです。女性がやるものと暗黙的に決まっている仕事がたくさんあります。お茶汲み、会議資料のコピーや配布、備品管理、ゴミ捨て、掃除や窓拭きまで…。まだありますよ。

航空券・新幹線チケットや宿泊の手配、電話対応さえ女性しかやらないって、かなり時代錯誤じゃないですか?」



時代は令和、男性陣はそれらを女性社員に任せて当たり前という話を聞くと、競争力が下降する未来が見えてきますね。



■会社の「やばい状況」を察知して転職した人たち



会社の不穏な状況や雰囲気に、「うちの会社、ヤバいかも…」と察知して転職を考える人たちもいます。



人がどんどん辞めていく…

金融機関で働くDさんは、「ヘッドハンティングされて入社した人がどんどんやめていくのを見て、自分も身の振り方を考えないと…と思った」といいます。「彼らは仕事がデキる分、年収も高いけど、会社が危ないかもと思ったらすぐに行動する」と語ります。仕事がデキる人ほど、社内の状況や体質に敏感。失望したらサッサとやめるケースは少なくありません。



広告代理店で働いていたEさんも、「毎週、退職しますという卒業メールが届くようになり、うちの会社って本当にヤバいの?と心配になりました。

そのうち、各部署を引っ張っていた人たちまでも辞めるのを見て、私もすぐ転職エージェントに登録しました」と苦笑い。



人手不足から営業も十分に手が回らず、結果的にサービスの質も低下するという悪循環に陥っていったそうです。会社がダメになっていく様子を間近で見て、いい経験になったと話してくれました。



ミーティングの内容に異変が…

メーカー勤務のFさん。「経営状態がまずいと囁かれたあと、急に社長が全社員を毎週集めてひたすら鼓舞するミーティングが開かれるようになって…」「回数を重ねるごとになんだか疑わしい雰囲気になって、社長もやつれてきたあたりで自分は退職。人事担当者に引き留められることもなくすんなり退職できたのですが、その後、人員整理があったと聞きました」と話してくれました。



毎週コストカット会議が開かれて…

IT企業で働くGさんは、「毎週、『いくらコストカットできましたか』や『ここをカットするために先方とこういう交渉をしている』という進捗報告を発表させられる」と嘆いていました。



他の仕事に手が回らないだけでなく、無理をお願いする取引先との信頼関係にヒビが入ったこともあるそうです。

これはかなりツライ役回り。コストカットも重要ですが、ビジネス上の信頼関係が損なわれると将来に影響して逆効果ではないでしょうか。



コロナをきっかけに…

また、COVID-19の感染拡大をきっかけに、会社の対処に疑問を感じ、転職を考える人も増えているようです。他の企業が出社や来社を控えている時期にもかかわらず、対面での打ち合わせを強行したり、リモートワークの対応が遅いといった会社側の対応に、不信感をもってしまうのも無理はありません。



■まとめ



似たような状況の人もいるかもしれませんね。不満や不安を抱えたままでは、仕事もうまくいきにくいでしょう。転職のきっかけに出会ったときにどう振る舞うかは人それぞれですが、自分の将来も考えたうえでやりがいを感じられるような会社や仕事を選択していきたいですね!



参考

『エン転職』1万人アンケート(2020年8月)「転職のきっかけ」実態調査(※1)エン・ジャパン株式会社( https://corp.en-japan.com/newsrelease/2020/23810.html )