お金を貯めたい、ふやしたい、と思っている人にとって「貯金1000万円」というのは一つの目途になるのではないでしょうか。「1000万円なんて夢のまた夢…」という人もいれば、「あとちょっとで1000万円」という人もいるかもしれません。
また、「そんなの高収入じゃなきゃ無理」と思う人もいるでしょう。しかし、そうとも限らないようです。1000万円を貯めた女性3人にお金をふやした方法について聞いてみました。
■自分の好きなことをして生きるために
都内のIT企業で営業事務として働く30代のAさんは、仕事をやめたいという一心でお金を貯めたといいます。
「最初、お金が思うように貯められないときには『年収が低いからお金が貯められないんだ』と思っていた。でも、そんな言い訳をしていても誰かが私のためにお金を貯めてくれるわけでもない。年収が低いなら低いなりに何とかしないと、自分のやりたいことができないと思ったから、『投資は怖い』なんて言ってられなかった」と話します。
Aさんは40代には今の仕事をやめて、自分のやりたいことをして生きていきたいという夢があるのだとか。そのために、多少何かあっても大丈夫だと思えるくらいのお金を貯めたいと考たのだそう。結果として、現在は1000万円どころか3000万円以上の資産が手元にあると言います。
「会社員として、少ないとはいえ毎月お金がもらえる生活をしているうちに投資の勉強をして資産運用しないと到底お金なんて貯まらないと思って、20代半ばから猛烈に投資の勉強をした。単なる貯金だと、『毎月、手取り収入の1割~2割』と言われるけれど、収入が多くないんだから少額ずつ貯めていても目標金額に到達しないでしょ、という感じ。
「ボーナスは半分貯金、半分投資。時に失敗して資産が半分になったこともあったけれど、アベノミクスのおかげもあって資産は順調に増加。大きな利益を得ることを考えるよりも、損をしないことを優先して、少しでも利益が出たら欲張らず小刻みに利益確定の売りを出していた」と続けるAさん。
「仮に1株1000円の株を最低単位の100株持っていたら、50円値上がりするだけでも5000円の利益になる。そういう株をいくつか買っておいて少しずつ確実に利益を積み上げていけば、意外と資産がふえていくし、投資が楽しくなって『こんな無駄遣いするくらいなら、株買おう』と思うようになった。家計が毎月赤字というほどでなければ、年収が高くなくても投資を始められると20代半ばで気付いたことが大きかった」と笑顔で教えてくれました。
そんなAさんは、夢であった英語を使った仕事を始めるべく、子どもに英語を教える仕事への転職活動を始めているのだそう。「今の転職希望先は自分のペースでのんびりやれるところ。ほかにも、簡単な英語記事を日本語に訳すウェブライターの仕事も副業で始めて、毎日が充実している」と話してくれました。
■派遣社員でも貯められる! とにかく固定費を安く
続いて、IT関連企業で派遣社員として働く40代のBさんです。「派遣社員としてのんびり働きながら、お金を貯めたいなと思っていた。
「当然お昼は外食なんて一切しないで、お弁当と飲み物のタンブラーを持参。派遣社員という立場もあって、会社の飲み会は基本的に断れるし、友達との飲み会もほとんどない。オタクだから、マンガを読んだりアニメを観たりはしていたけれど、そこまでお金がかかる趣味じゃない。電子書籍なら家が狭くても問題ないし」と笑います。
また、自宅も駅から徒歩15分ほど歩く場所にあり、「人気路線は高いし、急行が停まる駅も高いので却下。マイナー路線の各停しか止まらない駅をあえて選んで、駅から15分以上歩けば、同じような間取りでも2、3万は余裕で安くなる。スマホも格安スマホで、アパートに無料のWi-Fiが付いているから通信費も不要。固定費はかなり抑えられている」とBさん。フリマアプリで洋服を購入することも、売ることも多いと言います。
「服を買うときは基本フリマアプリで、化粧品はプチプラのものをたっぷりつけるようにしている」とのこと。
さまざまな節約を重ねて、月10万円以上の貯金をしてきたというBさん。30代半ばからは投資も始めたそうで、「以前は投信と日本の個別株を買っていたが、個別株のほうが面白いし値上がりするときには思い切り値上がりするのが面白い。今はスマホで株価を見るのが趣味と言えるかも」と話していました。
Aさんも言っていましたが、やはり収入が多くない場合、貯金だけではなかなか目標金額に到達しません。投資は怖いという人もいるかもしれませんが、まずは投資について知ってみるのもいいのではないでしょうか。
■稼ぎはあるのにお金が貯まらなかった生活から一転…
最後は、金融機関で働く30代のCさんです。「同世代よりもお給料をもらっていたのに全然お金が貯まらなかった。結婚するならお互い結婚費用を出そうね、とカレと話しながら『アレ?わたし、貯金ないかも』と焦ったことがきっかけで、真剣に貯金に励むようになった」と言います。
20代半ばで貯金に目覚めたCさんは、とにかくあらゆる方法で節約に励んだと言います。
「手取り収入をふやすためにキャリアアップして昇格したかったから、いろんな資格の勉強に励むようになって、目標通りのタイミングで昇格。それまではデパコスを使ったり、欲しいブランド物のバッグや靴を買ったりと自由気ままに過ごしていたけれど、結婚を見据えてコスパがいいコスメを探したり、不要なブランドバッグは売るように。靴も修理して長く使うとか、モノを大事にするようになった」と話します。
「お金の使い方や買い物の仕方をかなり見直して、月収の25%を貯金に回せるように頑張った」と言うCさん。それからはボーナスは全額貯金し、毎月コンスタントに月収の25%を貯めるようになったのだそう。結婚するときに200万円弱は使ってしまったにもかかわらず、30代半ばで1000万円に到達したと言います。
「新卒のときになんとなく始めた財形貯蓄も、少額の積み立てながら年月が経つとまとまったお金になったし、細々とやっていた投信も順調。個別株は株主優待目当てにお気に入りのものをホールドして、毎年お化粧品や食料品をもらっている」と教えてくれました。
■おわりに
3人に共通していたのは、節約と貯金はもちろんのこと、投資もうまく活用していたという点です。