そろそろ定年間近となってくる50代。老後資金について頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
総務省が2020年5月に発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)平均結果(2人以上の世帯)( https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html )」の「世帯主の年齢階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高」をみると、50代の貯蓄現在高平均は1,704万円ということが分かり、その内訳は通貨性預金443万円、定期性預金573万円、生命保険422万円、有価証券179万円、金融機関外87万円です。一方で50代の負債額は652万円あり、純貯金額は1,704万円―652万円で1,052万円です。
また、今回の調査によると現役世代の中で唯一貯金額が負債額を上回る世代が50代であることも判明しています。子育てもひと段落し、住宅ローンもある程度目処が立つ50代。老後に向けての本格的な貯蓄をスタートさせる最後のチャンスともいえるべき年代です。
今回はそんな50代にも関わらず、なかなかお金が貯まらない人に共通する4つの共通点を紹介します。
■セール品大好き!安物買いの銭失い
まずお金が貯まらない人の特徴としてセール品や安物が大好き、という特徴が挙げられます。もちろんセールや安売りというのは、うまく使えば出費が抑えられる素晴らしい節約方法です。
しかしながら安さに目がくらみ、不要なものまで買い込んだ結果、結局余計な出費を増やしてしまってはいませんか?「安物買いの銭失い」という言葉がありますが、それでは本末転倒です。セールや安売りのときだからこそ、本当に必要なものなのかどうかを冷静に判断し、一呼吸置いて買い物をするようにしましょう。
■見つけるとつい…コンビニに立ち寄りがち
また、お金が貯まらない人はコンビニに立ち寄りがちです。コンビニはどこにでもあり、便利で楽しいですよね。
例えば、ペットボトルの飲み物もスーパーなどで購入すると1回につき50円~70円ほど安くなるはずです。さらに水筒を持参すれば飲み物代はほとんどかかりません。1回の節約代は少額であっても、1ヶ月20日、年間240日、それが何年も続くことだと考えるとその節約額は瞬く間に大きくなっていきます。なかなかお金が貯まらない人は、まずコンビニを日常使いする癖をやめ、小さな出費を日常的に抑えていきましょう。
■まだ現金!?キャッシュレス決済が苦手
さらにお金が貯まらない人の特徴として、いまだ現金を使い続けキャッシュレス決済が苦手、という特徴があげられます。キャッシュレスというとクレジットカードを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ここ数年クレジットカード以外でもさまざまな電子マネー、QRコード決済が続々と登場しています。基本的にキャッシュレス決済で支払いをすると多かれ少なかれポイントが還元されるため、ほぼ間違いなく現金支払いよりも何かしらの恩恵を受けられます。
今年の6月末までは経済産業省がキャッシュレスポイント還元事業を行っていたり、現在はマイナポイント事業も行われていたりするなど、現在国をあげてキャッシュレス化を進めている動きも見られます。電子マネーは怖い、よく分からないなどといって使用を頑なに拒むのではなく、自分にとってより有益になるような支払いの仕方を考え、新しいものをしっかりと取り入れていく必要があるのです。
■ずっとそのまま…固定費の見直しを行わない
固定費の見直しを全く行わない、というのもお金が貯まらない人の特徴としてあげられます。
ほかにも当たり前のように支払っている公共料金。例えば電気代に関しても、従来は決められた電力会社としか契約ができませんでした。しかし2016年の電力自由化により、自分で電力会社や料金プランを選べるようになっているのです。「固定費は変わらないから」と昔からの支払いを当たり前のようにそのまま払い続けるというのは知らず知らずのうちに損をしてしまっているおそれがあります。
日々固定費を見直し、より安くできる手段はないかをしっかり考えることで大きな節約につなげることができるのです。
このように、知らず知らずのうちにこのような「お金が貯まらない行動」をしてしまっている人も多いのではないでしょうか。一番お金を貯められるはずの50代。今からでも決して遅くはありません。自分の日々の行動を見直し、老後のためにしっかりと貯金を始めていきましょう。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
【参照】
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)平均結果(2人以上の世帯)( https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html )」