■【東京株式市場】 2020年12月17日
■株式市場の振り返り-日経平均株価は続伸、FOMC通過でリスクオンモードがやや高まる
2020年12月17日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 26,806円(+49円、+0.2%) 小幅続伸
- TOPIX 1,792.5(+5.7、+0.3%) 続伸
- 東証マザーズ株価指数 1,185.2(+27.9、+2.4%) 3日ぶり大幅反発
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:849、値下がり銘柄数:1,253、変わらず:82
- 値上がり業種数:11、値下がり業種数:22
- 年初来高値更新銘柄数:45、年初来安値更新銘柄数:10
東証1部の出来高は11億4,095万株、売買代金は2兆5,456億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。FOMCを大きな波乱なく通過したことで、ややリスクオンモードが高まりました。
そのような中、日経平均株価は依然として膠着感が強く、方向感に乏しい値動きとなりました。それでも最後は小幅続伸となり、終値で6日ぶりに26,800円台を回復しています。取引時間中の高値は26,843円(+86円)、安値は26,676円(▲81円)となり、値幅(高値と安値の差)は約167円でした。
なお、TOPIXも同じような値動きで続伸となり、終値で1,800ポイント回復が視野に入ってきたようです。
■東証マザーズ株価指数は3日ぶり反発、売買代金は11日連続で2,000億円を下回る
東証マザーズの出来高は8,089万株、売買代金は1,752億円となりました。
出来高は前日よりやや減りましたが、売買代金は小幅増加となっています。売買代金は166日連続で1,000億円を超えましたが、11日連続で2,000億円を下回っており、個人投資家の物色意欲は今一つ盛り上がっていません。
ただ、株価指数は久々の大幅上昇で3日ぶりの反発となりました。ただ、終値では依然として1,200ポイントを下回っています。
■ソニーが約19年半ぶりに1万円台回復、三越伊勢丹HDなど百貨店株が軒並み大幅安
日経平均株価の上昇に寄与した上位3銘柄
- ソフトバンクグループ(9984)
- エムスリー(2413)
- 東京エレクトロン(8035)
前日に新型コロナウイルスの予防ワクチンの臨床試験開始を発表した塩野義製薬(4507)が一時+5%高へ急騰しました。しかし、“海外企業のワクチン接種が始まっているのに…”という冷ややかな反応も少なくなく、終値は+2%超高へ縮小しています。
また、政府や東京都が相次いで目標値を掲げた脱炭素化社会を手掛かりとして、燃料電池車や全固体電池技術で先行するトヨタ自動車(7203)が約10カ月半ぶりに年初来高値を更新し、系列大手部品メーカーのデンソー(6902)も高値更新となっています。
さらに、ゲーム関連では、PS5販売堅調が伝えられたソニー(6758)も約19年半ぶりに10,000円台に乗せて年初来高値更新となり、任天堂(7974)も一時+7%超高へ急騰して連日で年初来高値を更新しました。
その他では、仮想通貨ビットコインが再び過去最高値を更新したことを受け、マネックスグループ(8698)が一時+8%超高へ急騰したことが目を引きました。ただ、同社がビットコイン取引のコインチェック社を買収時に付けた高値からはまだ半分以下の水準です。
日経平均株価の下落に寄与した下位3銘柄
- ファーストリテイリング(9983)
- ファナック(6954)
- 第一三共(4568)
年末年始のGo To トラベル一時停止に加え、取引時間中に東京都の新規感染者数が800人超えとなったことが報じられ、関連銘柄で下落が多く見られました。
輸送株では、西日本旅客鉄道(9021)が一時▲5%安に迫る急落となったのを始め、JR株やANAホールディングス(9202)など空運株も大幅下落となりました。さらに、エイチ・アイ・エス(9603)も▲5%弱安の安値引けとなる冴えない値動きでした。
また、小売り株では、三越伊勢丹ホールディングス(3099)が▲5%超安の急落となるなど、百貨店株が軒並み大幅安となり、ローソン(2651)は連日で年初来安値を更新しています。
その他では、新型コロナウイルスの抗ウイルス薬候補「アビガン」について「有効性を判断するのは困難」とする国の審査報告書がまとまったというニュース報道を受け、富士フイルムホールディングス(4901)が一時▲5%弱安に迫る急落となったことが目を引きました。