■【日経平均株価】テクニカル分析 2021年6月6日



日経平均は29,000円前後でもみ合い。そろそろ底入れ期待も...の画像はこちら >>

■日経平均は米雇用統計の発表を控えて小幅な動き



2021年6月4日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より116円59銭安の28,941円52銭でした。3日ぶりの反落です。



先週は小幅にもみ合う動きとなり、3日には終値が29,058円と29,000円台を回復しました。しかし、4日夜に5月米雇用統計の発表が控えていたことによる利益確定売りなども出て、4日には再び29,000円を割り込みました。



今週の動きはどうなるでしょうか。4日に発表された5月の米雇用統計では、景気動向を映す非農業部門雇用者数は前月比55万9000人増で、予想中央値(67万5000人)を下回りました。雇用は回復しているものの、やや鈍さを感じさせます。



ところが市場はこれを好感しました。

足元で懸念されていた、米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和の縮小)がまだ先になるだろうと判断したのです。



このため、4日には米長期金利が低下し、同日のダウ工業株30種平均は前日比179ドル35セント高の34,756ドル39セントと、過去最高値(5月7日の34,777ドル)に迫りました。日本株も週初から連れ高になることが期待されます。



鈍化しているとはいうものの、米国の雇用が回復に向かっていることは確かです。15、16日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されており、テーパリングに向けた議論が始まることも考えられます。それまでにFRB高官などから何らかの発言が出ると、相場が振れる可能性があるので注意が必要です。



国内では、新型コロナウイルス感染者数は依然として高水準にあるものの、増加のペースはやや落ち着きを見せています。ワクチン接種が今月から加速すると見られる自治体も多いことから、経済活動の再開にも期待がかかります。



足元では、方向感が出しづらく、ニュースや要人の発言などで株価が振られやすい状況が続いていますが、その中でもしっかりと上がっている銘柄もあります。先々を見据えて物色したいところです。



■25日移動平均線と75日線の間で小幅にもみ合う



先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は終始、5日移動平均線にローソク足の実体がかかるような動きでした。

上下のヒゲが長く、ローソク足の実体が短くなっています。



上値は75日線で押さえられています。ただし、下値も25日線で支えられています。「売りたい」投資家と「買いたい」投資家の力が拮抗し、小幅にもみ合っている状態です。



今週以降の展開はどうなるでしょうか。まずはこのもみ合いを上下どちらに抜けるかがポイントになります。

上値メドとしては、心理的節目となる29,000円、さらには5月28日の高値(29,194円)になるでしょう。このあたりは75日線にも重なります。



その後は、2月16日の高値(30,714円)からの下降トレンドラインのチャネル上限が29,500円あたりになりますので、これを突破できるかどうか。ここを回復できるようであれば、再度の3万円台も近づきます。



逆に75日線を回復できず、25日線も割り込むようであれば、注意が必要です。ただし、それでも5月13日の安値(27,385円)を割るまでは、中期的にも上昇トレンドは継続しますので、押し目買いの好機と捉えることもできます。



中期的に見ると、昨年10月から続く上昇トレンドは継続中で、今は上昇一服といったところ。そろそろ底入れが期待できます。目線を上に持って、チャンスに付いていきたいところです。