10月17日は「貯蓄の日」。毎年この日に収穫への感謝をこめて伊勢神宮で行われる神嘗祭(かんなめさい)に由来するもので、「お金を大切に」という思いも込められ日本銀行により制定されました。



キャリアや就職・転職の研究や各種調査を行うJob総研を運営する株式会社ライボが、20~69歳の全国の社会人男女718人を対象に行った「2021年 年収と貯金額調査」によると、貯金額の平均は「20代で410万円、30代で1031万円、40代で1754万円、50代で991万円、60代で1788万円」。30代より50代の貯蓄が少ないという結果になりました。



また、コロナ禍の影響で貯蓄が増額した人は25.5%、減額した人は24.2%。思うように貯蓄ができない人も一定数いるようです。



何にでも向き不向きがあるものですが、それは貯蓄も同じこと。コツコツ節約をして貯蓄することが得意な方もいますが、日々の仕事や育児に追われて忙しかったり、そもそも細かいことが苦手だったりする方もいますよね。



今回は忙しくて細かく管理ができない方や、ズボラさんにも合った貯蓄法をご紹介します。



■貯蓄を増やす方法はシンプル



世の中にはさまざまな貯蓄法がありますが、貯蓄を増やす方法は実はシンプル。その月の「余った金額」を貯蓄をまわすことになるので、「収入を増やす」か「支出を減らす」か、どちらかの工夫をおこなうと考えると分かりやすいでしょう。



収入を増やす方法と支出を減らす方法の例を見てみましょう。



  • 収入を増やす(転職をする、副業をする、ポイ活をする、共働きで世帯年収を上げるなど)
  • 支出を減らす(固定費を見直す、日々の節約を行う、先取り貯金をして支出を抑えるなど)

どの方法を選ぶにせよ、基本は「はじめること」、そして「続けること」。はじめるためにも続けるためにも大切なのは、その人に向いていることです。

日々の細かな節約を楽しみに感じる人もいれば、仕事を増やして収入を上げることに楽しみを感じる人もいて、人それぞれですよね。



どれなら自分は先延ばしにせずはじめられ、長く続けられそうか。それを自問自答しながら選んでいきましょう。



■ズボラさんは「一度の申込みで続く方法」を!まずは貯金から



ズボラさんや忙しくて細かい節約ができない人におすすめなのは、「一度申し込めば継続できる貯蓄法」を選ぶことです。



確実に貯蓄をするために、まずじめたいのが「先取り貯金」です。先取り貯金は、毎月決まった日に一定額の積み立てをおこない、残りの金額で生活する方法。



貯蓄は「収入-支出=貯蓄」と考える方が多いですが、「収入-貯蓄=支出」という流れで考えると、確実に貯蓄ができるようになるでしょう。



先取り貯金にも、さまざまな種類があります。



一般的に利用する人が多い「自動積立定期預金」は、毎月決まった日に、決まった金額を定期預金に積み立てるもの。ほとんどの金融機関で取り扱っており、金融機関によって積み立てのタイミングや期間などさまざまな種類があります。



中には「教育費」「老後資金」などの目的別に口座を作り、それぞれに毎月一定額を積み立てられるサービスもあります。たとえば、毎月給料日に「教育費に1万円」「老後資金に2万円」といった積み立てが行えるのですね。

これなら一度申し込みをすれば、ほったらかしでも目的に合わせた貯蓄ができるでしょう。



■つみたてNISAで資産運用を取り入れるのも効果的



自動積立定期預金は預金ですが、資産運用として「つみたてNISA」で先取りを行うことも可能です。預金での貯蓄の目処が立ったら、一部はつみたてNISAで資産運用を取り入れるのも良いでしょう。



つみたてNISAとは、一定の条件を満たした公募株式投資信託やETF(上場株式投資信託)から自分で選んで、毎月決まった日に一定額を積み立てていくもの。通常は運用益に20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISA制度を利用することで年40万円まで、最長20年間運用益が非課税になります(非課税運用額は最大総額800万円)。



たとえば毎月3万円、利回り3%で20年間運用できた場合を金融庁「資産運用シミュレーション」で計算してみましょう。



■毎月3万円・20年間・利回り3%で運用できた場合



984万9060円(元本720万円)



運用なので元本割れのリスクがありますが、投資対象や投資時期を分散することである程度リスクを抑えることも可能です。



つみたてNISAは基本的に長期保有をして資産を育てていくものです。非課税期間が終了する際、期間内で売却しないと課税口座に払い出されます。



教育費や老後資金など目的に合わせて、必要となったときに売却するのが良いでしょう。ただ相場の影響を受けるので、売却を検討する2~3年前から相場の様子を見ておきたいですね。



■固定費の見直しで大きく減らそう



もう一つ、食費の節約など日々の細かな節約ができない人は、固定費を見直して大きく支出を減らしましょう。

固定費とは「住居費、光熱費、通信費」など毎月かかる費用のことです。



今すぐ見直しやすいのは、光熱費や通信費でしょう。契約している電力会社やガス会社を切り替えたり、電力とガス、また電力とスマートフォンなどのセット割を検討したりするのもいいですね。利用した電気料金に応じて、ポイントが還元されるサービスもあります。WEB上で申込みが完結する会社が多いのも嬉しいところ。



通信費についても、格安SIMへ乗り換えることで、月々のスマホ代がおよそ半分になることもあります。



引っ越しを検討する場合は、他の固定費として「交通手段はどうするか(車を保有する必要はあるか)、ガスは都市ガスかプロパンガスか」などをみて総合的に考えたいですね。



固定費の見直しは、基本的に一度申込みを行えば継続して支出を減らすことができます。ただ新たなサービスも続々と登場していますので、数年に一度は見直してみるといいでしょう。



■収入を増やす方が向いている人も



ズボラさんの中には、支出を減らすよりも、収入を増やすほうが向いている方もいます。今は転職も珍しくないですし、副業の種類も増えていますよね。



収入を増やすことでスキルアップしたり、専門性が身についたりと、さまざまなメリットもあります。

一方で、仕事が見つかるまでに時間がかかり、諦めてしまう人もいるでしょう。また、オーバーワークになりやすいといった問題もあります。



2021年8月16日に公表された、パーソル総合研究所が勤務先従業員人数10人以上の20~59歳の正社員、男女3万4824人におこなった「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」によると、「現在副業をしている正社員比率」は9.3%、「現在は副業をしていないが副業をしたいと思っている人」は40.2%。



興味はあるものの、実際に行っている人は少ない結果になりました。副業については、今後も動向が変化していくでしょう。自分のキャリアも考えながら、長期的な視点でみてみましょう。



また、夫婦であれば女性がパートで働き始めたり、フルタイムで働いたりして世帯年収を上げる方法もあります。もちろん1人で育児を行うワンオペ育児や実家が遠方など、各家庭の環境により女性の負担が増えすぎるリスクもあります。



ただ働くのが好きな人であれば、子どもの年齢や環境に合わせて検討するのも一つでしょう。仕事時間が増える分、便利家電の導入やお惣菜なども活用して「時間をお金で買う」ことも検討を。総合的に見てプラスになったり、節約よりも収入を増やすほうが貯蓄が長続きしたりする場合もあります。



また、パートの方でも厚生年金の適用拡大が行われています。

2022年10月から従業員数100人超規模の企業で、2024年10月からは従業員数50人超規模の企業で、一定の要件を満たす方が厚生年金に加入できるようになります。将来の年金アップも見据えて検討してみるとよいでしょう。



長く貯蓄を増やしていくためにも、自分に合ったものや楽しいと思えるものを探していきましょう。



■参考資料



  • 株式会社ライボ 「2021年 年収と貯金額調査」( https://laibo.jp/info/20211011-2/ )
  • 金融庁「資産運用シミュレーション」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html )
  • 金融庁「つみたてNISAの概要」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html )
  • パーソル総合研究所「第二回 副業の実態・意識に関する定量調査」( https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/research/activity/data/sidejob2.html )
  • 本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」( https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.html )
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