多肉植物が元気に育つには植え替え作業が必要です。
植物の生長を妨げる根詰まりを防ぐためにも、定期的な植え替えをおこないましょう。
初心者でも簡単にできる作業なので、一緒に挑戦してみませんか?今回は、多肉植物の植え替えと水やりについてご紹介します。
■多肉植物の植え替え
最近は100均でも手に入る多肉植物。大きさや種類によって値段はバラバラですが、1号鉢で200円前後の小さめサイズの多肉植物も出回っています。いろいろな種類の多肉植物を気軽に購入できるようになりました。
お店で買ってきたばかりの多肉植物や小さい鉢植えの多肉植物は根が詰まっていることもあるので、根の状態を確認した上で、必要な場合は早めに植え替えをしましょう。
できれば、1~2年に1度くらいの頻度で植え替えすることをおすすめします。
植え替えの適期は、多肉植物の成長型によって異なります。多肉植物は大きく分けると春と秋に生長する「春秋型」、夏に生長する「夏型」、冬に生長する「冬型」があります。
それぞれの植え替え適期は、以下を参考にして下さい。
・春秋型…4~5月頃
・夏型…4~5月頃
・冬型…9~11月頃
生長期はぐんぐん育つ時期なので、生長期に入る少し前の時期に植え替えをすれば、根が傷ついた場合も早く回復してくれます。
湿気の多い梅雨時や真夏、寒い冬などは、植え替えに不向きな時期です。植え替えしてしまったばかりに元気がなくなった、枯れてしまった…などとならないように、品種に適した植え替え時期を把握しておきましょう。

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いずれ植え替えが必要な1号鉢の多肉植物。値段は200円ほどで購入(LIMO編集部)
■多肉植物の植え替えが必要な時は?
多肉植物の鉢底から根が出ていたり、土の表面から根が出ていたりするのは、すでに根がぎゅうぎゅうに詰まっている状態です。早めにひと回り大きな鉢へ植え替えましょう。
葉や茎が干からびていたり、葉に変色が見られたりするのは、根からの吸水がうまくできていない可能性も考えられます。この場合、根詰まりが原因であることも多いので、植え替えをすることを検討しましょう。
■多肉植物の植え替えに必要なもの
植え替え時に必要なものは下記のとおりです。小さい多肉植物を植え替える場合は、サイズに合わせて小ぶりのものだと作業がはかどります。
最近は100均でも道具や土がそろいます。100均ならではの小ぶりサイズのものが、ちょうど多肉植物のお世話にピッタリな場合もあるので探してみるのもいいですね。
・多肉植物用の培養土
・鉢
・鉢底石
・鉢底ネット
・清潔なハサミ
・ピンセット(割り箸でも可)
・スコップもしくは土入れ
ハサミは熱湯消毒して、十分冷ましてから使います。鉢はひと回り大きいものを選びましょう。
■多肉植物、植え替えの手順
それでは、多肉植物の植え替えを順を追って解説します。
【1】あらかじめ植え替える多肉植物の水やりを控え、乾燥させておきます。ここがポイントです。目安は10日程度で、このようにすると根を傷めずに作業ができます。
【2】用意しておいたひと回り大きな鉢に、鉢底ネットを敷いて鉢底石を入れます。その後、鉢全体の3分の1くらいまで培養土を入れましょう。
【3】多肉植物をポットからていねいに抜き、株に付いている土と、古い根を取り除きます。茶色くなっていたり、細く干からびているのが古い根です。白く太い元気な根を残し、残りは消毒したハサミでカットします。
【4】根の整理ができたら、新しい鉢に植え付けましょう。根を広げるようにして苗を置き、傾かないように支えながら周囲と隙間に用土を入れていきます。
【5】鉢の縁から2~3センチ程度下が土の表面の高さになるように、調整しながら土を入れていきます。土と根に隙間ができないよう、割り箸でつつきながらなじませたら植え替えは完了です。
植え替え完了後はすぐに水はやらず、4日ほど経ったらたっぷりと水やりをして下さい。そのとき隙間ができているようなら、土を追加します。
■多肉植物、植え替え後の管理
多肉植物を植え替えた後は明るい日陰で管理します。植え替えたばかりの多肉植物は弱った状態なので、様子を見ながら徐々に半日陰に置いて日光に慣らしていきましょう。
植え替え直後に肥料をやることは控えます。肥料は植物が元気な状態で与えるもの。株が元気に育っていることを確かめてからあげるようにしましょう。
葉にハリやツヤがあるとき、また新芽や新しい葉が生えてきたら、元気に育っている合図です。この場合は定められた量にしたがって、肥料を与えても良いでしょう。

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花のような形をした多肉植物も(LIMO編集部)
■まとめにかえて
多肉植物の植え替えは、健やかに育てるために欠かせない作業です。ポイントを押さえておこなえば難しい作業ではないことがお分かりいただけたと思います。
特に植え替える前と植え替え後に水を控えることで、根も傷つきにくくなり、植え替え後の復活も早くなります。