色鮮やかな花を咲かせ、世界中のガーデナーから愛されているクレマチス。
冬の剪定方法が分からず、育てにくいと思っていませんか。
今回はクレマチスの育て方やおすすめ品種を紹介します。品種ごとに違う剪定のコツを参考にして、毎年キレイな花を咲かせましょう。
■クレマチスの基本情報
- キンポウゲ科センニンソウ属(クレマチス属)
- 多年草、ツル植物
- 草丈:20~300センチ
- 参考価格:500円(ポット苗)~3000円(4号鉢)程度
イギリスでは「ツル性植物の女王」と称賛され、バラのパートナープランツとして古くから親しまれているクレマチス。

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品種改良によりたくさんの系統がつくられ、今では2000種類を超えるといわれています。開花時期は4月~10月で、花の色も白・青・紫・赤・ピンク・黄・茶・黒とさまざま。
ツル性植物なのでフェンスやアーチなどに絡ませたり、鉢植えであんどん仕立てにしたりするとよいでしょう。
■クレマチスの育て方
■日当たり
クレマチスは日光を好むので、日がよく当たる明るい場所で育てましょう。日当たりがよくないと花数が少なくなってしまいます。風通しのよさも生長に影響するので、風が通らず湿気が多い場所は避けましょう。

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■水やり
開花時期は多くの水をあげましょう。水切れしないように土の乾き具合を見ながらたっぷり水を与えます。鉢植えの場合は夏の水やりが1日2回必要なときもあります。
地植えは大きくなれば降雨に任せ、晴天が続くときだけ与える程度でもかまいません。冬の休眠期は水やりを控えます。
■肥料
クレマチスは多くの肥料を必要とする植物です。真夏以外の春~秋にかけて、緩効性肥料を1~2ヵ月に1回、または液体肥料を1週間に1回程度施しましょう。地植えの場合は2月頃に寒肥を与えておくと新芽の生育を促します。
■クレマチスの剪定方法
クレマチスの管理で大切なのは剪定です。クレマチスには旧枝咲きタイプ、新枝咲きタイプ、新旧両枝咲きタイプの3つがあり、タイプごとに剪定方法が違います。
■旧枝咲きタイプ
系統:モンタナ系・シルホサ系・フォステリ系・パテンス系・アトラゲネ系
花が咲き終わった古い枝から、細い枝を出して花をつけるタイプ。冬になると枯れたように見えますが、実際には枯れてはいないので、間違えて剪定すると花が咲きません。
剪定のタイミングは4月~5月にかけて、花が咲き終わった後です。花から1~2節ほど下を目安に切り戻しましょう。
■新枝咲きタイプ
系統:ビチセラ系・テキセンシス系・ヴィルオナ系・インテグリフォリア系・ジャックマニー系

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新しく出てきた枝だけに花をつけるタイプ。
■新旧両枝咲きタイプ
系統:テッセン系・タングチカ系・フロリダ系・ラヌギノーサ系
新しい枝と古い枝の両方に花をつけるタイプ。2月~3月、5月~8月が剪定の時期です。どちらも枝の先端から1~2節残して剪定しましょう。
■クレマチスのおすすめ7選
■ドクターラッペル

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- 系統:パテンス系
- 花の大きさ:15センチ
- 開花時期:5月~10月・四季咲き
華やかな大輪の花を咲かせ、クレマチスの中でも人気のあるドクターラッペル。中央が濃いピンク色で白いフチが入った花びらがとてもキレイです。
■ルーベンス

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- 系統:モンタナ系
- 花の大きさ:4~6センチ
- 開花時期:4月~5月・一季咲き
ハナミズキに似た淡いピンクの花がかわいいルーベンス。花つきがよく香りも高いので、満開になると木を覆いつくすように咲いた花から甘い香りが漂います。
■H.F.ヤング

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- 系統:ラヌギノーサ系
- 花の大きさ:12~15センチ
- 開花時期:5月~10月・四季咲き
大きなブルーの花が魅力的で、クレマチスの中でも名花と呼ばれるH.F.ヤング。とても丈夫で育てやすく初心者にもおすすめです。
■プリンセス・ダイアナ

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- 系統:テキセンシス系
- 花の大きさ:6センチ
- 開花時期:5月~10月・四季咲き
ダイアナ妃をイメージして命名されたプリンセス・ダイアナ。真っ赤な4枚の花びらが反り返り、チューリップのような花姿が印象的です。
■テッセン
- 系統:フロリダ系
- 花の大きさ:2センチ
- 開花時期:5月~11月・四季咲き
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中国原産で日本でもなじみ深いテッセン。中心が紫で花弁が白の花が咲き、一見トケイソウにも似ています。和風・洋風どちらの庭にもよく合います。
■ルーテル
- 系統:ジャックマニー系
- 花の大きさ:12~14cm
- 開花時期:6月~10月・四季咲き
大輪で鮮やかなワインレッドの花がインパクトのあるルーテル。ツルの長さが1.5メートルと比較的コンパクトにまとまります。鉢植えにもおすすめです。
■エトワール・バイオレット
- 系統:ビチセラ系
- 花の大きさ:8センチ
- 開花時期:6月~10月・四季咲き
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クレマチスの定番品種ともいえるエトワール・バイオレット。中輪でビロードの質感を感じさせる濃い紫色の花がキレイです。花つきがよく次々と開花します。
■まとめにかえて
品種に合った剪定をすることで、一度植えれば毎年花を楽しめるクレマチス。
花の色や形もさまざまで、ツルバラと一緒に植えると華やかさをさらにアップしてくれます。魅力的な花を咲かせるクレマチスをぜひ育ててみませんか。