令和3年分(2021年)の確定申告締め切りが2022年3月15日に迫っています。



確定申告はなにかと億劫なイメージも多いので、副業で思いのほか2021年に稼いでしまった方の場合、「果たして今から確定申告に間に合うのか」が気になるところかもしれません。



今回は筆者の確定申告の実体験を踏まえて、使ってみて便利だった仕組みを中心にご紹介します。



■納税の便利な仕組みを使い切るにはマイナンバーカードが必須!



【副業で確定申告】今から始めて間に合わせるためには。マイナンバーカードがないとどうなるのか

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最初にお伝えすべきポイントとしては、「マイナンバーカード」をお持ちかどうかが「3月から始めて確定申告に間に合うか」どうかの重要な分かれ目ということです。



「マイナンバーカード」「マイナポータル」を活用して完了できる手続きの範囲は年々拡大しており、2021年の確定申告においては、ふるさと納税に関連する確定申告も、「マイナポータル」との連携強化によって便利になっています。



具体的には、今回の確定申告から「楽天ふるさと納税」や「さとふる」など、対応しているポータルサイトから納税すると、その納税情報がマイナポータル経由で確定申告情報として利用できるようになっています。



この機能追加により、ふるさと納税の申告時も



  • 納付した自治体の証明書を見て
  • 金額を入力する

といった手間からも解放されています。



また、「スマホ申告」自体もマイナンバーカードを活用した仕組みなので、休日や深夜など、税務署が空いていないような空き時間で手早く確定申告を済ませるには、マイナンバーカードが必須です。



マイナンバーカードをお持ちでない場合はインターネット上での提出ができませんので、



  • 税務署が開いている時間を調べて提出しに行く
  • 必要な書類を印刷して郵送する

といった手間が必ずかかってしまいます。



また、マイナンバーカードをお持ちでない方が新たにマイナンバーカードを手に入れる場合、申請から通知までに1ヶ月かかり、役所での窓口受け取りが必須になってしまうので、今からだと確定申告の申請期限に間に合いません。



そのため、「マイナンバーカードがあればすぐ終わったのに……」と思ったタイミングで申請を出して、次回に備えることをおすすめします。



■オンライン申請時は「取引先の住所」「金額がわかるもの」を一緒に出しておく



【副業で確定申告】今から始めて間に合わせるためには。マイナンバーカードがないとどうなるのか

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マイナンバーカードをお持ちの方の場合、インターネットに接続できるパソコン又はスマートフォンから「確定申告書等作成コーナー」にアクセスして、必要な事項を埋めていけば申請に必要な書類を準備することができます。



経験上、「取引先ごとに売上額を出す」のが一番大変かつ重要なポイントになるので、対象の申告年(今回の場合は2021年)に関する情報として、



  • 取引先の住所・正式名称がわかるもの(支払調書・企業公式サイトなど)
  • 取引先から得た金額がわかるもの(支払調書・通知書・請求書・預金通帳など)

を手元に準備しておくとスムーズに進められます。



支払調書を出してくれる取引先であれば、支払調書の情報を見ながら記入すれば問題ありません。



ただ、すべての法人が支払調書を個人に対して出す義務はないので、取引先からの支払調書の発行が無い場合もあります。



その際は預金通帳など、金額がわかるものを使って計算していく必要があります。



なお、この金額の集計も弥生会計オンラインやMoneyForwardクラウドなど、クラウド会計ソフトと預金口座を連動させておくと条件で絞り込んだ集計がしやすくなり、便利です。



■確定申告の締め切りに間に合わなかった場合はどうなるのか



つまり、今から始めて3月15日までに確定申告を終わらせるためには、



  • マイナンバーカードを持っていること
  • 各取引先の情報・売上額がわかる情報を持っていること

の2点が必要です。



なお、締め切りの3月15日に間に合わなかった場合も、できる限り早く確定申告しないといけないのは言うまでもありません。



期限の後に申告した場合は「期限後申告」となり、期日内に申告した場合と比べて多くの税金を納める必要があります。



やはり何事も、締め切りに間に合うように行動する必要があるということですね。



■参考資料



  • 国税庁「マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧」( https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/list.htm )
  • 国税庁「スマホ申告の対象範囲が増えます」( https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/info-smartphone.htm )
  • 国税庁「令和3年分のスマホ申告に関する手引き等」( https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2021/kisairei/sp/index.htm )
  • マイナンバーカード総合サイト「マイナンバーカード交付申請」( https://www.kojinbango-card.go.jp/kofushinse/ )
  • 国税庁「令和3年分確定申告特集」( https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm )
  • 国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」( https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm )
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