■年収600万円の手取りはいくらか
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、現在日本の平均年収は433万円です。
そんな中で年収600万円を超えてくると、一般的に高年収の印象を受けます。
今回は日本に年収600万円の人がどれくらいいるのか、またどういった業界で達成できるのか探っていきたいと思います。
■まずは年収分布から600万円以上の割合をチェック!
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」の「(第 16 表)給与階級別給与所得者数・構成比」より、男女をあわせた年収の分布をみてみましょう。

出典:国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」
年収600万円台は6.5%。年収600万円を超えるのは20%程度と、思いの外少ないようです。年収600万円の壁は想像以上に高いことがわかります。
男女別に見ると、年収600万円超は男性で約30%、女性で約6%の割合です。男女で比較すると年収差に大きく歪みが出ていることがわかります。
次に男性の年齢別平均給与を確認していきます。年収600万超の世代は45歳~59歳までとなっています。
一般的には、管理職や役員といったそれなりのポジションに付いて到達できる領域ということでしょう。
■平均600万円超の業種は?男女別に確認
次に、達成できる業種を具体的に見てみましょう。
「転職サービスdoda」がdodaエージェントサービスに登録した正社員20~65歳の男女(有効回答数約45万件)に2020年9月~2021年8月末に行った「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」を参考にします。
2021年の業種分類別の平均年収(全体)は上から順番に以下の通りです。
- 同率1位「金融」・「メーカー」(455万円)
- 3位「総合商社」(434万円)
- 4位「IT/通信」(433万円)
- 5位「建設/プラント/不動産」(416万円)
前項の通り、年齢別や男女によって年収の差があるため、平均値はあくまで参考値にはなります。
1位の「金融」や「メーカー」でも女性の平均年収は455万円と、600万に満たない結果となりました。
では、年齢別や男女を考慮しない全体の平均給与が600万円超である業種はどんな仕事でしょうか。
さらに細かい業種をピックアップすると、「投信/投資顧問」が平均年収662万円と「金融」の中で最も平均年収が高い業種となっています。
男女別に見ても、男性が702万円、女性が607万円と女性でも600万円超をクリアできる業種であることがわかります。
他に女性も平均給与が600万円超の職種は「投資銀行業務(643万円)」、「運用(ファンドマネージャー/ディーラー)(620万円)」、「リスクコンサルタント(670万円)」が挙げられます。
女性の場合、高い専門性のある職種でないと年収600万円を超えるのは難しいようです。
■【年収600万円】手取りはいくら?
年収600万円だと実際の手取りはいくらになるでしょうか。再び国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」を元に見てみましょう。
年収600万円台の年齢や収入を確認します。
- 平均年齢:46.6歳
- 平均勤続年数:17.7年
- 平均給料・手当:524万円
- 平均賞与:122万8000円
- 平均給与(年収):646万8000円
平均年収は約646万円となりました。
社会保険料や税金等を抜くと、個人差はあるものの月の手取りは33万円ほどでしょう。
■将来のために資産運用を
今回は年収600万円にスポットを当てて検証していきました。
収入の高い職種もご紹介してきましたが、全く異なった分野への職種変更は容易ではありません。
収入のことを考えると将来に不安を感じる方も多いかと思います。そんな方は、ある程度貯金ができたら次のステップとして資産運用を考えてみてはいかがでしょうか。
収入を上げるのは難しくても、資産を築いていくことはどなたにでも可能です。
情報収集をしながら、さまざまな方法を検討してみてはいかがでしょうか。
■参考資料
- 国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm )
- Doda 「平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」( https://doda.jp/guide/heikin/gyousyu/ )