日経平均株価は2万7000円付近で上値を抑えられる



2022年5月27日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比176円84銭高の2万6781円68銭でした。4日ぶりの反発です。



【日経平均株価】FRBの金融引き締め加速は和らいだものの、楽観はできない

出所:日本経済新聞社



前日に米株式相場が上昇したことから、日本株も買われる展開となり、半導体、海運などに関連する銘柄が上昇しました。



一方で、心理的節目となる2万7000円付近では、利益確定売りも出やすく、上値を抑えられました。東証プライムの売買代金は概算で2兆9671億円と3兆円に迫りました。



今週の動きはどうなるでしょうか。



27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比575ドル77セント高の3万3212ドル96セントで終えています。



6日続伸で、週間では1951ドル高と9週ぶりに上昇しました。

前週までは、8週連続で下落していました。ダウ平均が8週連続で下落したのは90年ぶりです。



一転して株高となった背景には、25日に公開された5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が当初の想定ほどタカ派ではなかったことがあります。



金融引き締め加速への警戒が和らいだことから、投資家の間に安心感が広がり、買われる動きとなりました。また、8週連続で下落していたことから、その反動もありました。日本株も週初から買われる展開になることが期待されます。



ただし、米株が軟調な場面で日本株が底堅かった半面、米株が反発しても、日本株が付いていっておらず、むしろ上値が重い動きとなっています。



円安傾向が続いていましたが、足元では円を買い戻す動きもあります。自動車・機械など輸出関連銘柄がやや弱含みです。



米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めはやや後退したものの、かつてのような金融緩和策に戻るわけではありません。引き続き、警戒が必要です。要人の発言などにより相場が振られやすいので注意したいところです。



中国では新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあることから、都市封鎖が解除され、日系の製造業などが通常業務を再開できるようになるかもしれません。



また、岸田文雄首相は、新型コロナ対策で止めていた外国人観光客の受け入れを6月10日から再開すると発表しました。インバウンド関連銘柄が買われる可能性があります。



今週は3日に米雇用統計の発表もあります。



■日経平均株価、上値重い展開だが下値も限定的でもみ合いに



先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週末20日には大きな陽線となって終えていたことから、先週に反発することが期待されました。



週初23日には窓をあけて上昇して寄り付いたものの、その後は上昇が続かず、ローソク足は十字線のような形になりました。あまりいいチャートではありません。



懸念したとおり翌火曜日は陰線となると、月曜日にあけた窓を埋めてしまいました。その後も陰線が続きました。一時奪回した75日線も割り込みました。



今週以降の展開はどうなるでしょうか。



先週は陽線が続きましたが、ローソク足の実体は短く、下げの勢いは強くありませんでした。上値は重いものの、下値の堅さも感じさせます。



今週、まずは直近の戻り高値である5月18日の高値(2万7053円)を超えられるかどうかが大きなポイントになります。



その後、4月21日の高値(2万7580円)、さらに3月25日の高値(2万8338円)を目指したいところです。特に3月25日の高値を超えると、昨年の9月中旬から続いている中期的な下降トレンドのチャネルの上限を超えることになります。



そうなると、目線を上に持つことができ、大きな節目である3万円台も視野に入ってきます。