日経平均株価は終値ベースで2万6000円を割り込む



【日経平均株価】世界的な利上げを背景に株安が加速。プロがチャート分析

出所:日本経済新聞社



2022年6月17日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比468円20銭安の2万5963円00銭でした。終値ベースで2万6000円を下回るのは5月12日以来、およそ1カ月ぶりです。



背景には、欧米中銀が相次いで利上げに踏み切ったことが挙げられます。投資家の間に、世界的な金融引き締めが加速するとの見方が広がり、国内外の株式市場で幅広い銘柄が売られました。



米連邦準備理事会(FRB)が15日に通常の3倍の0.75%の利上げを発表しました。16日にはスイス国立銀行と英イングランド銀行などの中央銀行も利上げを発表しました。ロシアのウクライナ侵攻などにともないインフレが進んでいることから、これを抑制するのが狙いですが、このペースで引き締めが続くと、景気の悪化につながり、株式市場が冷え込むことが懸念されます。



今週の動きはどうなるでしょうか。

17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比38ドル29セント安の2万9888ドル78セントとなりました。同日の下げは小幅でしたが、週間では1500ドル以上下げています。連日で年初来安値を更新しています。日本株も週初から連れ安になる可能性があります。



欧米の中央銀行が金融引き締めにシフトしている一方で、日銀は16~17日に開いた金融政策決定会合で、大規模緩和を継続する方針を決めました。米株などが大幅に下落する中で、日本株は軟調とはいうものの、底堅さも感じさせます。



一方で、米欧との金利差が広がっていることから急激な円安が進んでいます。円相場は先週、1ドル=135円台半ばまで下がりました。24年ぶりの安値圏となっています。円安は自動車、機械などの輸出銘柄には追い風となる反面、原材料や食品など輸入品の価格の上昇につながります。



今週は、欧州、米国で購買担当者景気指数(PMI)も発表されます。指標が予想を下回ると景気の後退懸念となりますが、予想を上回っても金融引き締めへの懸念となり、判断が難しいところです。



■日経平均株価は、足元の下落で再び中期的な下降トレンドへ



先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週末は陰線で引けていることに加え、ローソク足の実体が200日移動平均線を割り込んだことから、先週はこれを回復できるかどうかがポイントでした。



実際には、週初13日から窓をあけて下落して寄り付くとそのまま長い陰線となりました。その後はいったんもみ合いましたが、週末17日にはさらに窓をあけて下落しました。



今週以降の展開はどうなるでしょうか。前週までは、昨年9月14日の高値(3万795円)を始点とする中期的な下降トレンドのチャネルの上限を突破し、下降トレンドが終わったことを示していました。

しかし、先週の下落により、下値サポートラインを割り込んで、再び下降トレンドの中にローソク足の実体が戻ってしまいました。心理的な節目となる2万7000円、75日線、25日線も一気に割りました。



ただし、2万6000円付近まで下げると、押し目も入りました。また、直近の押し安値である5月12日の安値(2万5688円)を下回ることもありませんでした。17日は窓をあけて下落したものの、長い下ヒゲを付けており、このあたりでは買いに回る投資家も多いことがわかります。



今週まずは、先週あけた窓を埋めることができるかどうかが注目点になります。

窓埋め後、再度2万7000円台を回復するようであれば、目線を上に持っていいでしょう。ただし、直近の押し安値である5月12日の安値を割るようであれば、警戒が必要です。