■2008~2021年の大学の入学料と授業料の推移をチェック
お子さんをお持ちのご家庭では、教育費をどう貯めていくか悩まれる方も多いのではないでしょうか。
特に大学費用は教育費の中で最も高額となることも多いため、計画的に備える方もいるでしょう。
一方で最近の相次ぐ値上げのように、これまで立てていたマネープランの見直しを迫られる方もいると思います。
今回は大学の学費に視点を当てて、その平均額を私立と公立で比べてみましょう。大学費用の推移もあわせて確認します。
■私立大学の学費はどのくらいか、学部別にチェック
まずは文部科学省の「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」より、私立大学の授業料と入学料及び施設設備費と、4年間の総額を確認しましょう。

出典:文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
■私立大学文科系学部
(文・人文学系、経済・経営・商学系、教育系、法・政治学系ほか)
407万9015円
※「入学金」(初年度のみ納入:22万5651円)と「授業料」(年額81万5069円×4年分)と施設設備費(年額14万8272円×4年分)
■私立大学理科系学部
(理・工学系、農・獣医・畜産学系ほか)
551万1961円
※「入学金」(初年度のみ納入:25万1029円)と「授業料」(年額113万6074円×4年分)と施設設備費(年額17万9159円×4年分)
■私立大学医歯系学部
(医学、薬学、歯学など)
2396万1844円
※「入学金」(初年度のみ納入:107万6278円)と「授業料」(年額288万2894円×6年分)と施設設備費(年額93万1367円×6年分)
■私立大学その他学部
(家政、芸術、体育、保健など)
507万3940円
※「入学金」(初年度のみ納入:25万4836円)と「授業料」(年額96万9074円×4年分)と施設設備費(年額23万5702円×4年分)
同じ私立大学でも、学部によって4年間で文学部の約407万円から医歯系学部の約2396万円まで大きな違いがあるとわかりました。
■国立大学の学費はどのくらいか
では次に、国立大学に進学した場合をみていきます。
■国立・医歯系学部以外(4年間在籍)
242万5200円
※「入学金」(初年度のみ納入:28万2000円)と「授業料」(年額53万5800円×4年分)
■国立・医歯系学部(6年間在籍)
349万6800円
※「入学金」(初年度のみ納入:28万2000円)と「授業料」(年額53万5800円×6年分)
国立大学は入学金は28万2000円、授業料は53万5800円と定められています。
こちらも医歯系学部になると金額が大きくなりますが、同じ医歯系学部でも国立か私立かで約2000万円も異なるのが分かりました。
お子さんが希望する進学先により学費は大きく変わるので、早いうちから話しておきたいですね。
■私立大学の初年度納入金の推移はどれくらいか
私立大学の学費は、実際は進学する大学により異なります。また年々変わる可能性があるため、2008年~2021年の学費の推移を見てみましょう。

出典:文部科学省「(参考1)私立大学の初年度学生納付金等の推移」
2008年には授業料は84万8178円でしたが、2021年には93万943円まで上がっています。
一方で入学料が2008年には27万3602円でしたが、2021年には24万5951円に下がっています。ちなみに施設設備費は18万円台、実験実数料は3万円台で推移しており、そこまで変化が見られません。
大学の入学料は下がる傾向にある一方で、授業料は年々増えるのがわかります。この傾向も頭に入れておくと良いでしょう。
■まとめにかえて
今回確認した通り、大学の学費は進学先により大きく異なり、特に私立は授業料が増加傾向にあります。
金額が大きいからこそ、お子さんが小さいうちからコツコツと貯めておきたいところ。ただ今回のコロナ禍や値上げのように、途中で貯めにくくなる場合もあるでしょう。
そういったときのために奨学金や大学無償化といった制度についても、早いうちから調べてみてはいかがでしょうか。
■参考資料
- 文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」( https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1412031_00004.htm )
- 文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」( https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/__icsFiles/afieldfile/2017/12/26/1399613_03.pdf )