■富裕層の人数を日本と世界でみる
「富裕層」というと縁遠い印象がありますが、国内外ともに着実に資産を築く富裕層は一定数います。
クレディ・スイスの「グローバル・ウェルス・レポート 2021」によれば、日本の米ドル建てミリオネア(100万米ドル超の富を有する成人の数)は300万人以上もいます。
日本の富裕層の割合はアメリカ、中国に次いで3番となっており、世界の7%を占めます。

出典:クレディ・スイス「グローバル・ウェルス・レポート 2021」
また、2025年には日本を含む世界各国で富裕層が増加すると推計されています。
実際にどの国にミリオネアが多く、今後増える可能性があるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
今回は同調査を元に、2025年に向けた富裕層人口の推計をみていきます。
■2020年~2025年で富裕層はどれくらい増えると推計されているのか
クレディ・スイス「グローバル・ウェルス・レポート 2021」を参考に、米ドル建てミリオネア(100万米ドル超の富を有する成人の数)の2020年と2025年の人数の推計を一覧表で見てみましょう。

出典:クレディ・スイス「グローバル・ウェルス・レポート 2021」
ミリオネアの数は米国が最も多く、2020年で2195万1000人。2025年には2805万5000人までに増え、27.8%増加すると推計されています。
2位の中国は2020年に527万9000人とアメリカのおよそ4分の1ですが、2025年には1017万2000人までに増えると推計されます。およそ93%も増加するとされており、中国とアメリカの富裕層の人口差は縮まっていくと考えられるでしょう。
日本は2020年に366万2000人ですが、2025年には541万1000人と47.8%の増加が予測されており、2020年の中国と同程度になります。
日本に住んでいる身としては実感できない方も多いと思いますが、確実に資産を築く方もいるのですね。
次にドイツ、イギリス、フランスとなりそれぞれ200万人台ですが、フランスは2025年には70.1%増え、ドイツやイギリスを追い越すと予測されています。
■超富裕層人口の2020年~2025年の推計を地域別に見る
次に地域別の超富裕層の割合も見てみましょう。
最も多いのは「北米」で、2020年には資産5000万ドル以上の超富裕層が約11万人おり、2025年には18万人に近づく勢いです。

出典:クレディ・スイス「グローバル・ウェルス・レポート 2021」
同調査によるとAPAC地域 (中国、インドを含むアジア太平洋地域 )の国々には5万7000人以上の超富裕層が住んでおり、欧州の約3万8000人をすでに大きく上回っています。
超富裕層の人数は毎年平均で2万5000人以上増え、5 年間で12万9000人増加(60% 増)の見通しとなっています。
■まとめにかえて
富裕層と超富裕層の人口について、2020年と2025年の推計を確認しました。
富裕層の人口とその推計は、日々の経済ニュースや世界情勢とはまた違った角度から世界の経済状況をみることができるでしょう。
■参考資料
- クレディ・スイス「グローバル・ウェルス・レポート 2021」( https://www.credit-suisse.com/media/assets/apac/docs/jp/pb-research-reports/global-wealth-report-2021-jp.pdf )