■1989~2018年の平均給与の推移をグラフで見る



【食品の値上げ】2022年2万品目超・平均14%値上げも「日...の画像はこちら >>

帝国データバンクによれば、2022年の食品の値上げ品目は2万品目を超え、平均値上げ率は14%となります(2022年9月1日公表)。



加工食品や調味料、酒類・飲料といった生活に欠かせない分野で値上げが相次ぐ一方、日本の平均年収は30年間400万円台で推移しています。



実際に今年の値上げ動向や分野別の値上げ品目を見ながら、日本の平均年収の推移も確認しましょう。



■2022年食品は2万品目値上げへ。どの分野でどれくらい値上がっているのか



去年から値上げの傾向はあったものの、今年の春から値上げが目立ってきた印象がありますが、2022年の値上げ動向を月ごとにグラフで確認しましょう。



【食品の値上げ】2022年2万品目超・平均14%値上げも「日本の平均年収は30年以上400万円台」という現実

出所:帝国データバンク「食品「値上げ」年内2万品目突破」



値上げ品目は2022年2~4月で1000品目を超えており、5月には251品目まで減ったものの、6月以降も1000品目以上の値上げが続き、10月には6532品目にもなります。



2022年10月はこれまでにない食品の値上げ数となり、改めて家計を見直す必要性を感じさせられるでしょう。



■【食品の値上げ】食品のうち値上がりが多いのは何で、何%か



分野別の値上げ品目と値上げ率も確認します。



【食品の値上げ】2022年2万品目超・平均14%値上げも「日本の平均年収は30年以上400万円台」という現実

出所:帝国データバンク「食品「値上げ」年内2万品目突破」



■主な食品分野・価格改定の動向:品目数・値上げ率平均



  • 加工食品(水産缶詰、ハム・ソーセージ、冷凍食品など):8530品目・16%
  • 調味料(マヨネーズ、だし製品、焼肉のたれなど):4651品目・15%
  • 酒類・飲料(甲類焼酎・チューハイ、ビール・発泡酒、炭酸飲料など):3814品目・15%
  • 菓子(キャンディ類、スナック菓子、せんべいなど米菓類):1295品目・13%
  • 乳製品(溶けるチーズ・プロセスチーズ類):700品目・12%

加工食品で8000品目以上と圧倒的に多く、次いで調味料も4000品目を超えます。

特に「酒類・飲料」の値上げが2022年10月以降で2835品目となっており、プロセスチーズの値上げも目立つとのことです。



いずれも生活に欠かせないものばかりであり、節約をするにも限度があるというご家庭も多いでしょう。



■日本の平均年収は30年以上「400万円台」という現実【グラフで見る】



食品で1割以上値上げされただけでなく、電気料金などさまざまな分野で値上げが続いています。

家計は苦しくなる一方で、日本の平均年収は30年以上400万円台で変わらないという現実があります。

国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」によれば、令和2年の平均年収は433万円。



2010~2020年の平均給与の推移をグラフで確認しましょう。



【食品の値上げ】2022年2万品目超・平均14%値上げも「日本の平均年収は30年以上400万円台」という現実

出所:国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」



上記を見ると2010年の約412万円、2015年の約420万円と、過去10年間400万円台で推移しているのがわかります。

厚生労働省の資料より、1989~2018年の「平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)」の推移も確認します。



【食品の値上げ】2022年2万品目超・平均14%値上げも「日本の平均年収は30年以上400万円台」という現実

出所:厚生労働省「図表1-8-2 平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)」



1989年は452万1000円。

その後、1994年の465万3000円をピークに、リーマンショックの翌年2009年には421万1000円と大きく下がり、2014年の419万2000円が底となり現在433万円まで戻ってきています。

平均給与には男女や正規・非正規雇用の影響もありますが、基本的に400万円台で推移しており、30年ほど前に比べると変わっていないどころか下がっているとわかります。

このような状況下で数多くのモノやサービスの値上がりが続くと国民の生活は非常に厳しいでしょう。



■まとめにかえて



最近では社会保険料などの値上げもあり、平均給与は変わらないままでは生活はさらに厳しくなると予想されます。



こういった状況下でできる対策として節約のみならず、固定費や生活全体の見直し、また副業やポイ活、運用など収入を増やすことも考えていきたいところでしょう。



■参考資料



  • 帝国データバンク「食品「値上げ」年内2万品目突破」( https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220901.pdf )
  • 国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm )
  • 厚生労働省「図表1-8-2 平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)」( https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-08-02.html )
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