■年収100万円以下~2500万円超の給与所得者数をチェック
物価高が相次ぐ一方で、日本の平均年収は30年以上400万台となっています。

出所:厚生労働省「図表1-8-2 平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)」
厚生労働省の資料によればリーマンショックの年から450万円を下回り、ここ10年以上は400万円台前半で推移しています。
では、実際に男性で年収400万円台の方はどれくらいいるのでしょうか。一覧表で見ながら、将来の年金額についても見ていきます。
■「年収400万円の男性」はどれくらいいるのかグラフで見る
まずは国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」より、年収100万円以下~2500万円超の給与所得者数を一覧で確認します。

出典:国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」
「400万円超 500万円以下」は全体で14.6%ですが、男性で17.3%、女性で10.7%でした。
国税庁によれば給与所得者数は5245万人で、その平均給与は433万円。
ただ男女別にみると、給与所得者数は男性3077万人で、女性2168万人。平均給与は男性532万円、女性293万円です。
男性だけで見ると平均給与は532万円となっており、割合を見ると男性で「500万円超 600万円以下」は13.4%でした。
実際に男性で最も多い年収帯は「300万円超 400万円以下」で17.5%。男性の平均年収は532万円といっても、年収500万円以下で56.0%と半数以上を占めています。
ただ年収は年齢や業種、職種によっても異なります。年代別の平均年収も確認しましょう。
■【年代別】平均年収はいくら?
同資料より、年齢別の平均給与も確認しましょう。

出典:国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」
男性の年収は20歳代後半で393万円、30歳代前半で458万円となり、40代前半には571万円で男性の平均年収を超えます。
年収のピークは50代後半で668万円でした。やはり年齢による差が大きいことがわかりますね。
■2022年度の厚生年金のモデル金額をもらえる年収はどれくらいか
年収と一緒に考えたいのが、将来の年金額です。
厚生年金の場合、収入に応じた保険料を納めるため、今の収入が将来の年金額に反映されます。
参考までに、2022年度の厚生年金のモデル夫婦の金額を確認しましょう。

出典:日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
日本年金機構の「令和4年4月分からの年金額等について」によると、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は「月額21万9593円」です。
厚生年金のモデル額は「平均的な収入(平均標準報酬賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢高齢年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です」となっています。
国民年金の満額は6万4816円。つまり、男性ひとり分の厚生年金(国民年金部分を含む)を計算すると「15万4777円」になります。
男性がひとりで厚生年金を月15万4777円もらうには、どれくらいの年収が必要か計算してみましょう。
- 43万9000円×12カ月=526万8000円
男性が「年収約530万円で40年間就業」した場合、2022年度ではひとりで月15万4777円という計算になります。
実際には年齢などにより収入にはバラつきがありますが、一つの目安にはなりますね。
■まとめにかえて
日本の平均年収は400万円台といわれますが、男性のみで見たり、また将来の厚生年金といった部分でみると違う様子も見えてきます。
「日本の平均年収と同じだから将来の年金も安心」とは言い切れないでしょう。
また、今後少子高齢化もあり、年金額は下がる可能性も考えられます。今回の統計を参考に、老後に向けたマネープランを検討されてみてはいかがでしょうか。
■参考資料
- 国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/000.pdf )
- 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」( https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2022/202204/040103.html )
- 厚生労働省「図表1-8-2 平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)」( https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-08-02.html )