8月20日の投信1記事「年収600万円男性は「結婚」が先か、それとも「結婚資金の貯金」が先か( http://www.toushin-1.jp/articles/-/3944 )」では、兄のA氏と弟のB氏の結婚観やお金に関する考え方の違いをご紹介しました。兄のA氏によれば、記事を見た家族の間では、B氏の結婚よりもむしろお金の使い方や貯め方に話題が集中したそうです。



また、A氏はあるとき実家に帰省した際、B氏とした仕事や年収の話題を思い返したといいます。



■「将来を描けない」、そう嘆く弟を見て兄は考えた



実は兄のA氏、大学卒業後、外資系金融機関などを経て年収1,000万円を20歳代後半で手にしました。40代となった現在は東京で起業をしています。一方の弟のB氏は30代後半で独身。国内企業の営業マンで年収は600万円。実家近くで一人暮らしをしており、時々実家で夕食をとるなどして食費を浮かせています。それでもお金はほとんどたまりません。



B氏はA氏に対し「仕事で成果を上げている割には給与が上がらない」と不満を漏らしました。加えて、自分の上司のキャリアやその役職で手にできる給与を知ってからというもの、将来を描けない会社に勤務する意欲が失せてしまったと話したのです。



このような話を聞いたこともあり、これまで金融マンの立場でさまざまな業種業界を見てきたA氏は「もう一度就職活動をするなら」という前提で、どのような転職が良いのかを考えてみたのだそうです。A氏の考えた転職先選びのポイントは3つありました。



■年収アップ転職のコツ(1):規制業種を選べ



A氏が真っ先に考えたのは、若くして周りよりも高収入を得たければ「規制業種」を狙え、というものでした。



規制業種とは、事業を始めるのに免許や認可が必要であったり、監督官庁の指導などが厳しい業種のことを指します。



A氏が勤務してきた金融業界は典型的な規制業種です。その他、通信、医薬、放送、鉄道、自動車なども規制業種といえるでしょう。



規制業種では事業を始めるのに免許が必要であるため参入障壁が高くなり、新規のプレーヤーが相次ぐといった事態にはなりにくく、競争が緩くなりがちです。企業として見たときには、規制業種であることそのものが強みになるともいえます。「孫正義氏が率いるソフトバンクも、通信事業が現在のコア事業になっているのは偶然ではないでしょう」とA氏は指摘します。



また、こうした規制業種の平均給与はほかの産業に比べると高くなる傾向にあります。



もっとも規制業種は就職先としても人気が高く、転職時の倍率も高いので、なかなか入れないことも多いでしょう。ただ、A氏は転職先の候補のひとつとしてはまず検討をしてもよいというのです。



A氏自身、努力をして金融機関で職を手にしたことは認めています。ただ、実際に働いてみたことで「結局誰が担当しても結果はそれほど変わらないビジネスモデルだと実感した」ともいいます。「もちろんボーナスで差はつきますが、職さえ手にすれば一応は高収入を得ることができるのが金融なのです」と、A氏は語ります。



■年収アップ転職のコツ(2):事業が拡大するイメージのある会社を選べ



A氏が次に考えたのは、仕事のできるいわゆる「スーパーマン」に依存した事業や会社は業績のブレが大きく、ボーナスの比率が高いと意外に年収は安定しないというものでした。



たとえ仕事内容が地味に見えても、ビジネスモデルが強く、個々の能力に依存せずに拡大していける事業を持つ会社を選ぶべきだという指摘です。



たとえば、弁護士や売れっ子コンサルタントも時間当たり単価が高い職種かもしれませんが、自分の時間をサービスとして提供している以上、年間で24時間365日以上は提供することができません。この時点で売上の上限が決まってしまうことになります。仕事を手にするなら自分の成果の上限を決めないビジネスモデルを扱う企業に就職するのが良いだろうというわけです。



そうした意味で、A氏は最近、キーエンスやミスミに代表されるようなビジネスモデルそのものに強みを持つ企業のほか、フランチャイズビジネスにも興味を持っているのだそうです。



■年収アップ転職のコツ(3):一発当てたいなら相場関連か



最後に、A氏はどうしても一発当てたいというというならば、相場関連の仕事も良いと考えているといいます。



たとえば、金融機関のトレーダーならば、年齢に関係なくパフォーマンスが良ければ契約内容に応じてボーナスがもらえます。パフォーマンスが悪かったとしても、クビになるだけです。



これが相場において自分自身でレバレッジをかけていた場合はどうでしょうか。万が一運用に失敗した場合には、自分でカバーしなければならなくなります。こうしてみると、日頃は会社員として働き、相場とは無理のない範囲で向き合う方が安全といえます。



■まとめにかえて



A氏の考え、いかがでしたでしょうか。就職活動や転職活動の際に働きやすい企業を選びたい、年収が高い企業を選びたいというのは誰しも同じかもしれません。その際、高収入を得られる企業の共通点を見つけることができれば、探したり選んだりする楽しみもより一層増すかもしれませんね。



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