基本に返って、高配当株投資!
どんなスポーツでも、初心者はまず基本を学ぶことから始めます。プロ選手でも、スランプにおちいったら「基本に返れ」「基本を思い出せ」といいます。
高配当利回り株への長期投資は、株式投資で最初に学ぶべき、基本中の基本です。
・株式投資の初心者の方
・株の売買に自信があるが、最近どうも失敗ばかりの方
は、基本に返りましょう。高配当株にじっくり長期投資することを、考えてください。
株式投資とはそもそも会社に資本を提供し、その見返りに会社からあがる利益の一部を配当金として受け取るものです。それを忘れ、株式投資を「いいタイミングで株を売ったり買ったりすること」との見方が広がるのは、短期的な株価変動が大きいのでやむを得ない面もあります。
ただ、短期の株価材料や株価変動にばかりとらわれていると、長期投資でとても重要な配当利回りのことに無関心になりがちです。「日経平均が上昇しているのに、売買のタイミングが悪くて、少しも儲からない」という方は、高配当株投資をもう一度、見直してください。
今日は、2種類の高配当利回り株をご紹介します。攻めの7銘柄と、守りの7銘柄です。合計14銘柄の平均利回りは4.7%になります。
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利回り3%以上を狙う!高配当株の選び方
攻め・守りの意味
本レポートでは、景気敏感業種(自動車、機械、総合商社、化学など)から選ぶ株を「攻めの銘柄」、景気変動の影響が比較的小さい業種(通信、食品、医薬品、大手銀行など)から選ぶ株を「守りの銘柄」と呼びます。守りの銘柄は、株式市場で、「ディフェンシブ株」と呼ばれることもあります。
攻めの銘柄は値動きが荒く、下げる時は大きく下げ、上げる時には大きく上げる傾向があります。
これに対し、ここで守りの銘柄と呼ぶものは、攻めの銘柄より価格変動が小さくなる傾向があります。
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攻めの7銘柄
最近、株式市場で、半導体関連株などの景気敏感株の株価上昇が目立ちます。私は、来年にかけて米中貿易戦争がやや緩和し、5G(第5世代移動体通信)や半導体の投資が世界的に盛り上がり、景気が世界的に回復に向かうことを織り込む動きと考えています。
ただし、景気の先行きについて、決め打ちは禁物です。来年も引き続き米中貿易戦争が激化し、世界的な景気悪化が続くリスクもあります。
こんな時、株に投資するならば、景気敏感株を買ったら良いのでしょうか、ディフェンシブ株を買ったら良いのでしょうか? 結論から言うと、景気敏感株とディフェンシブ株両方に、分散投資した方が良いと思います。
今日選んだ「攻めの高配当利回り株」は、世界景気悪化を嫌気して株価が低迷している景気敏感株の中から、私が割安と考えるものを選びました。
攻めの高配当利回り7銘柄:2019年11月20日時点
コード 銘柄名 主要事業 配当利回り 最低投資額 4005 住友化学 化学 4.4% 50,500円 4188 三菱ケミカルHD 化学 4.9% 82,320円 5020 JXTG HD 石油 4.6% 48,210円 6301 小松製作所 建設機械 4.3% 256,400円 8053 住友商事 商社 4.9% 163,750円 8058 三菱商事 商社 4.7% 282,950円 8591 オリックス リース 4.3% 175,600円 出所:配当利回りは、今期1株当たり年間配当金(会社予想)を11月20日株価で割って算出。最低投資額は、11月20日終値で最低投資単位100株を買うのに必要な金額
高配当利回り株に投資する際、「予想配当利回りが高ければ高いほど良い」と考えて、機械的に予想配当利回りが一番高い銘柄を選ぶ方もいますが、それは、あまり良い選び方ではありません。配当利回りは、確定利回りではないからです。利回りの高い銘柄には、将来、減配になるリスクが織り込まれていると考えるべきです。
上に挙げた高配当株は、「減配リスクが低く、安定的に配当が得られる」と私が期待する銘柄です。
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守りの7銘柄
世界景気が減速しても業績への影響が相対的に小さいと考えられる「ディフェンシブ株」の中から、配当利回りが高めで、株価が割安と私が考える銘柄を選びました。
守りの高配当利回り7銘柄:2019年11月20日時点
コード 銘柄名 主要事業 配当利回り 最低投資額 2914 日本たばこ産業 タバコ 6.2% 246,500円 8570 イオンFS カード 4.1% 165,900円 8306 三菱UFJ FG 銀行 4.4% 57,220円 8316 三井住友FG 銀行 4.5% 396,700円 8411 みずほFG 銀行 4.4% 16,880円 9434 ソフトバンク 携帯電話 5.7% 148,200円 9437 NTTドコモ 携帯電話 4.0% 297,700円 出所:配当利回りは、今期1株当たり年間配当金(会社予想)を11月20日株価で割って算出。最低投資額は、11月20日終値で最低投資単位100株を買うのに必要な金額
メガ銀行はかつて、景気敏感株でした。景気が悪化すると不良債権が増加し、財務が悪化して株価が大きく下がりました。景気が改善すると財務が改善して株価が大きく上がりました。
ただし、今、メガ銀行は財務良好で不良債権比率が低く、景気の影響を受けにくい体質に変わったと判断しています。したがって、今回の分類で、私はメガ銀行をディフェンシブ株に分類しました。
念のため、メガ銀行以外の銀行は、低金利によって収益・財務の悪化が進んでいますので、ディフェンシブ株とは言えないと思っています。銀行株では、ここに挙げた3メガ銀行のみ、ディフェンシブ株と判断しています。
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(窪田 真之)