本日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは108.59円↓下値メドは107.14円今朝の天気マークは「晴れ」
※天気の判定基準は記事末尾にあります
FRBは慎重、
ECBはやや前向き
6月の最終営業日、30日のドル/円は107.50円を安値に107.98円まで上昇。6月9日以来の高値をつけました。ドル/円が108円近くまで上昇したことではなく、6月のほとんどの期間107円台にいながら107.98円をつけたのが3週間ぶりという、そのレンジの狭さに驚きます。
FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は30日、議会証言において、米国経済はFRBの予想よりも早く新型コロナ禍から立ち直りつつあるとの見解を示しました。ただし同時に、コロナウイルスを封じこめ人々が安全と自信を持てるようになるまでは米景気の本格的な回復が難しいことも指摘しています。最悪期は脱した可能性はあるが、楽観は全くできないということです。
米国の10年物国債の利回りは0.6%台まで再び下がっています。実質利回りの低下は、米国債市場以外の世界的な安全資産の不足を反映しているのか、それとも米経済見通しを悲観的に見ているのか、いずれにしてもパンデミック前は1.87%だったわけですから、金融市場も米景気の本格回復はまだ先と考えています。
パウエルFRB議長は、米国の2,000万人が仕事を失ってしまったという事実を忘れてはならないとも述べています。明日は米6月雇用統計が発表されます。前回のレビュー、今回の予想など詳しい解説は 「米雇用統計、絶好調!この数字、本当によろこんでいいのか?」 をご覧ください。
この日はECB(欧州中央銀行)のシュナーベル理事もスピーチ行い、ECBのPEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)は、「状況が十分に改善すれば予定より早く終了することも可能」とやや前向きな発言をしています。
豪ドル/円のチャート、そしてマーケット動向がよくわかる、今月の「勝ち組」「負け組」通貨ペア、円とユーロ、豪ドルIMMポジション推移のグラフは「今日の注目通貨」をご覧ください。
毎ヨミ!FXトップニュース
30日のドル/円のNY市場終値は107.93円
前営業日の終値比+0.36円だったので、今朝の天気マークは「晴れ」です。
今日の格言:
「失敗したくない」と思うと、直感力は鈍り、むしろ間違った判断をしてしまいやすくなります。
「失敗しても大丈夫」と鷹揚に構えていれば、直感力を活かしてよりよい判断をしやすくなります。
各国・各通貨トピックス
新型コロナウイルス:
フランスも感染第2波。新規感染者が1,500人超に 死者も増加傾向
米国の出生数、新型コロナで最大50万人減少か
ドル:
ナイキが約850億円の赤字、新型コロナの影響で収益▲38%
トランプ政権のインフラ投資計画、選挙前に成立する見込みほぼゼロ
ポンペオ国務長官「米国は、香港を中国の一部として扱う可能性がある」
円:
厚労省のコロナ接触確認アプリ、LINEと同程度に普及しないと使い物にならない
ユーロ:
マクロン大統領の中道与党、主要都市で敗北 フランス統一地方選
米の対応追加関税、アルコール、贅沢品に加えヨーグルト、チーズも対象
ポンド:
英国大学が経営危機も。海外留学生減り、授業料が70億ポンド減
中国人民元:
中国当局、仕組預金を年内に2/3まで減らすよう指導。現在の市場残高12兆元
NZD:
RBNZ(NZ準備銀行)「NZドル高は(景気回復にとって)逆風」
メキシコ:
メキシコ中銀、政策金利5.0%に利下げ、利下げサイクルは今後も継続
カナダドル:
米国がカナダからのアルミニウム輸入に関税発動へ
その他:
セグウェイが7月15日で生産終了。価格帯が高すぎ
史上最長の麻薬密輸トンネルを発見、米国とメキシコの国境で
ポリ袋はエコ! ポリ袋の製造に必要な水の量は、紙袋の25分の1
主要指標終値

本日の注目通貨
豪ドル/円:6月のレンジ 71.59円 から 76.79円

今日の注目グラフ
「勝ち組」「負け組」通貨ペア(6月1日 ~ 6月26日)
対ドル ランキング
6月の「勝ち組」はオセアニア通貨。
6月はNZドルと豪ドルがそろって高パフォーマンスとなりました。6月1日から26日までに、NZドルは3.6%、豪ドルは3.1%で高くなっています(いずれも対ドルベース)。ドル/円は▲0.4%でややマイナス(円高)。
上のグラフが示すように、6月はドル安」のマーケットだったといえます。逆の言い方をすると最大の負け組は「ドル」(オセアニア高、ユーロ高、円高、カナダ高、そしてスイス高)。好調なNY株価とは対照的にドル安が進む「リスクオンのドル安」の動きが強まりました。
ニュージーランドは他国に先駆けソーシャルディスタンスを解除して経済の本格再開へ踏みだしています。豪の中央銀行RBAは「新型コロナによる豪経済のダメージは危惧していたほどではなかった」と述べ、国内経済に強気の見通しを示しています。ドル売りは、新型コロナ感染者世界一である米国の経済再開がさらに遅れることを悲観した動きといえます。
対円 ランキング

対円でも、NZドルと豪ドルが「勝ち組」。新興国通貨では、南アランド/円が+1.32%と健闘する一方、トルコリラ/円は▲1.12%。メキシコペソ/円は▲3.79%で円クロスのなかで最もパフォーマンスの悪い「負け組」。
IMMポジション推移(円、ユーロ、豪ドル)(2018年6月 ~ 2020年6月)



豪ドルのトレンドに大きな変化? 円ロングはさらに積み増し
全米先物取引委員会(CFTC)公表による、6月23日時点のシカゴIMMの通貨先物ポジション状況は、円は27,458枚の「ロング(=約32億ドル相当の円の買い持ち)」で、前週に比べてドルショートポジションが24%増加しました。
ユーロドルは、118,448枚の「ロング(=約148億ユーロの買い持ち)」で、前週比1.1%増。
豪ドル4,810枚の「ショート(=約4.8億豪ドルの売り持ち)」で、前週に比べ26.4%減。IMMの豪ドルは2018年3月から、2年3ヵ月間ショート(買い持ちより売り持ちが多い)状況が続いていますが、ここにきて、ほぼフラットになるまでショートが縮小。これは大きな変化です。「勝ち組・負け組」チャートでも豪ドルはトレーダーから選ばれています。
トレード前に必ずチェック!今週発表の重要指標!

◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。
(荒地 潤)